実質[語句情報] »
実質
「実質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《あいだ》好奇心をもってそれをながめていた葉子は見つめれば見つめるほど、その形に
実質がなくって、まっ暗な空虚ばかりであるように思い出すと、ぞーっと水を浴びせられ....
「片信」より 著者:有島武郎
るためには、すなわち真の無階級の世界が闢《ひら》かれるためには、私生児の数および
実質が支配階級という親を倒すに必要なだけを限度としなければならない。もしその数な....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
うには悟らなかった。それが一体何になろう。これほど体裁のいい外貌と、内容の空虚な
実質とを併合した心の状態が外にあろうか。この近道らしい迷路を避けなければならない....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
て兵制が乱れ政治力が弛緩して参りますと、折角ローマが統一した天下をヤソの坊さんに
実質的に征服されたのであります。それが中世であります。中世にはギリシャ、ローマ時....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
として芸術家としての自分を高めて行く努力をつづけるよりしかたがない。そしてかかる
実質的な権威以外に真に自分を優位に支えてくれる力は決してあり得ないことを知るべき....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
る確然たる規定がない。賞与に関する規定がない。 規定がないということは、つまり
実質的にもそういうものが存在しないことを意味する。 なぜならば会社は規定にない....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
を、スピリチュアリスト紙に発表するに当り、通信者達は全部に修正を施したが、内容の
実質には、少しの変化もなかった。爰に発表したものには全部個人関係の通信が省かれて....
「思い」より 著者:伊丹万作
つたい今までだれが映画を作つてきたのだ。だれが映画を愛し、映画を育ててきたのだ。
実質的な意味では、それはことごとく従業員のやつたことではないか。ことに事変以来、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
「ファラデーによりて提出された光の電磁気説は、余がこの論文に精しく述ぶるものと、
実質において同じである。ただ一八四六年の頃には、電磁波の伝わる速度を計算する材料....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ったのである。 このようにしてしばらく時がたち、二人の競争者のあいだの情勢には
実質的な影響はなかった。ある晴れた秋の午後、イカバッドは、もの思いにふけりながら....
「妖怪学」より 著者:井上円了
およそ生活の有無に関せず、万物はみな一定の時間これを使用すれば、いくぶんの消耗を
実質の上にきたすものなり。有機体において、その身体の一部分を使用すれば疲労を生ず....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を迎うる如くであった。が、世間が驚嘆したのは実は威力ある肩書のためであって、その
実質は生残りの戯作者流に比べて多少の新味はあっても決して余り多く価値するに足らな....
「日本画と線」より 著者:上村松園
り具合や、重たさや軽さによって、物体の硬軟や疎密は言うに及ばず、物その物の内面的
実質までもその気持ちを如実に出すの妙があるのです。それでありますのに今の日本画家....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に立つるところの神これなり。普性神は、特殊の性質、作用、意想を有せざる万物の本体
実質をいう。仏教の真如法性というがごとし。今、ユニテリアン宗の説くところの神はや....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
力の増加に従い逐次拡大せり。特に注目に値するは、ナポレオンの一八一二年役に於て、
実質に於て三軍を有しながら、依然一軍としての指揮法をとり、非常なる不便を嘗めたり....