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実際家
「実際家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実際家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
地質学者であり植物学者でありました。彼はかのごとくにして詩人でありしと同時にまた
実際家でありました。彼は理想を実現するの術《すべ》を知っておりました。かかる軍人....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
人)麻川さんと云い、文士なんて、なんてうざうざと面倒くさい人達なんだろう。」この
実際家で、しっかり者の従妹の云い草が、あんまりユーモリスチックなんで、私は、くる....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
で書き立てるのだった。ことに、事件の開始早々にもかかわらず、もう、愚にもつかない
実際家出の探偵小説家を掴まえてきて、それにくだくだしい推理談的な感想を述べさせて....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
の組織をも一変して、名什傑作が轆轤細工のようにドシ/\出来たなら、今までのように
実際家に軽蔑されないほどの収入を得て、貧乏な日本の国庫を富ますに足るほどの文学税....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
を見ていたら、「学者は普通に、徐々にしか真理を征服しないものであります。(中略)
実際家は、そのように長くかからなければわからぬ真理はほとんど意に介しません。なぜ....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
。常識性の概念は吾々を、実際化の業績の科学的価値に容嘴する権利を持ち合わさない。
実際家の集団は理論家の夫を優越し得ない。かかる
実際家達はそれ故大衆ではない、実際....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
世間的な社会科学アカデミシャンもなくはないし、又そういうもののよい対蹠人である「
実際家」的社会科学者も少なくはないが、そういう「アカデミシャン」や
実際家の無理論....
「小春」より 著者:国木田独歩
く、自然を愛し、自然を友として高き感情の中に住んでいた者もあったが、今では立派な
実際家になって、他人のうわさをすれば必ず『彼奴は常識が乏しい』とか、『あれは事務....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
いのだとタカをくゝつてゐる。 彼は然し思索癖の哲人に似合はず、きはめて現実的な
実際家でもあり、富子を口説くときも、天妙教へ乗りこむ時もさうであつたが、かういふ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
なにも知らない子どもであった。カトリーヌおばさんが来てくれるということ、かの女が
実際家であるということは、なにごとをもよくしてくれるであろうといふ希望を持たせた....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
を建てたいとも思わなかったし、私の力で家が建つなどとは考えたこともなかったのに、
実際家が建つことを信ぜざるを得なかったのである。檀一雄の隣家は真鍋呉夫の家である....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
計上することにしている。 売上げの金高に比較して家賃が高いと商売がやりにくい。
実際家賃は商品の売価にそれがかかって行くので、いかに勉強したくても高い家賃を払っ....
「決闘」より 著者:神西清
またサモイレンコはへどもどする。 「君は大きな子供だ。理論家だ、僕は若い老人だ、
実際家だ。どうしたって合いっこはないさ。もうやめよう。おい、ムスターファ!」とラ....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
にし輪毛をおしどりにしたらどんなものかしらといったことがあります。京都で日本髷の
実際家達がさみどり会という会を作って研究しているのがありますが、ある時その会の人....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
にしたくもなかった。君子とすると覇気があり過ぎた。豪傑とすると神経過敏であった。
実際家とするには理想が勝ち過ぎていた。道学先生とするには世間が解り過ぎていた。ツ....