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客
「客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
ながら、たった一人茫然と、卓《テーブル》に肘をついている。彼の周囲にあるものは、
客も、給仕も、煽風機も、何一つ目まぐるしく動いていないものはない。が、ただ、彼の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
人間の国の文明――少なくとも日本の文明などとあまり大差はありません。往来に面した
客間の隅《すみ》には小さいピアノが一台あり、それからまた壁には額縁《がくぶち》へ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
たいような心もちさえした。
しかし恩地小左衛門は、山陰《さんいん》に名だたる剣
客であった。それだけにまた彼の手足《しゅそく》となる門弟の数も多かった。甚太夫は....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
つには、可笑《おか》しい中でも、つまされたよ。
「それから芸者になってからも、お
客様をつれ出しちゃよく活動を見に行ったんですが、どうした訳か、ぱったりその人が写....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
た本では、大清一統志《たいしんいっとうし》、燕都遊覧志《えんとゆうらんし》、長安
客話《ちょうあんかくわ》、帝京《ていきょう》――
編輯者 いや、もう本の名は沢山....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
うと、ようやく眠気《ねむけ》がきざして来た。――お蓮はいつか大勢《おおぜい》の旅
客と、薄暗い船室に乗り合っている。円い窓から外を見ると、黒い波の重《かさ》なった....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
山も一籌《いっちゅう》を輸《ゆ》するくらいだったのでしょう。現に同じ宿《やど》の
客の一人、――「な」の字さんと言う(これは国木田独歩《くにきだどっぽ》の使った国....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
中《うち》に、費《ついや》した事であろう。動《やや》もすればはやり勝ちな、一党の
客気《かっき》を控制《こうせい》して、徐《おもむろ》に機の熟するのを待っただけで....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
また勢いよく走り始めた。慎太郎はその時まざまざと、今朝《けさ》上《のぼ》りの三等
客車に腰を落着けた彼自身が、頭のどこかに映《うつ》るような気がした。それは隣に腰....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
である。
「これは君の責任だ。早速上申書を出さなければならん。生憎《あいにく》乗
客は残っていまいね?」
「ええ、一時間ばかり前に立ってしまいました。もっとも馬な....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
云い合う内に、我々はもう風中を先に、狭い店の中へなだれこんでいた。
店の中には
客が二人、細長い卓《たく》に向っていた。
客の一人は河岸の若い衆、もう一人はどこか....
「初雪」より 著者:秋田滋
燃やしても、湿り切った大きな部屋は、ねっから暖くならなかった。彼女は一日じゅう、
客間にいても、食堂にいても、居間にいても、どこにいても寒さに悩まされた。骨の髄ま....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
景色も目にはとまらずしてその日の暮がたある宿に着きたり。宿に着きても油断せず、合
客の様子、家居の間取等に心づけ、下婢が「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の心地な....
「寡婦」より 著者:秋田滋
も、一千八百四十一年になさった旅の途次、オペラ座の歌姫にだまされたあげく、巴里の
客舎で、同じような死に方をして果てました。 その人は十二になる男の子と、私の母....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
しようものなら、戸口から蹴とばしてやるぞ。 ボールタス・ヴァン・タッセル老人は
客のあいだを歩きまわっていたが、満足と上機嫌で大きくなった彼の顔は、丸く愉快で、....