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客商売
「客商売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客商売の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くんです」 「それがどう変なのだ」 「どうということもありませんが……。わたしも
客商売で、毎日いろいろの人に逢っていますが、どうもその男の様子がなんだか変でした....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ごきどく》なことだ」 お光は顔の色を変えて、暫く無言で相手の顔を見つめていた。
客商売に馴れている彼女も、当座の返事に困ったらしい。そこへ附け込んで、幸次郎は嚇....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ひとじち》に取られたような形で、半七はただ詰まらなく坐っていた。 出入りの多い
客商売であるから、人目《ひとめ》に付くのをおそれて、娘と三甚をほかの家にかくまっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んざら無いことでもございませんが、わたくし共では初めてでございます。この通りのお
客商売でございますから、一度でもそんな事があれば、決して鶏なぞを飼いは致しません....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う。こうして、お客様が二人はいって来たんだ」 無頼漢でも博奕打ちでも、さすがに
客商売の辰蔵は客に対して苦い顔をしているわけにも行かなかった。殊に相手の馬子は繋....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
身投げをした芸者のような意気地なしではない。死んだッて、化けて出てやらア。高がお
客商売の料理屋だ、今に見るがいい」と、吉弥はしきりに力んでいた。 僕は何にも知....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
。摺った揉んだの挙句が、小春さんはまた褄を取っているだがね、一度女房にした女が、
客商売で出るもんだで、夜がふけてでも見なさいよ、いらいらして、逆気上って、痛痒い....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
外套の厚い煙に包まれた。 「いつもの上段の室でございますことよ。」 と、さすが
客商売の、透かさず機嫌を取って、扉隣へ導くと、紳士の開閉の乱暴さは、ドドンドシン....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ぐりと高いのが、絣の綿入羽織を長く着て、霜降のめりやすを太く着込んだ巌丈な腕を、
客商売とて袖口へ引込めた、その手に一条の竹の鞭を取って、バタバタと叩いて、三州は....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
たまこうして顔をあわせると、両方の挨拶も自然に行儀正しくなるものだ。ことに市野は
客商売であるだけに如才がない。かれは丁寧に声をかけた。 「釣りですか。」 「はあ....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
、とにかくこれは嘘|偽りでない、わたしが眼のあたりに見た不思議の話です。S旅館も
客商売であるから、こんなことが世間に伝わっては定めて迷惑するだろうと思って、これ....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
はふと疑問が起った。 「あなた、お料理店の息子さん?」 「違います。だが、まあ、
客商売というところは同じですね」 名物鯉の洗い、玉子焼、しじみ汁――。かの女は....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
彼女に背を向け中庭の薄明が室内の電燈と中和する水色の窓硝子に疲れた眼を休ませる。
客商売である帳場の者はもちろんこういう時の心得は知って居てそっぽを向く。(小田島....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
と云う。今又ここの話では、市郎が女と情交があるらしいと云う。何方にしても、対手は
客商売の女である。要するに二人の客に対して、等分に世辞愛嬌を振蒔いたと云うに過ぎ....
「雨の宿」より 著者:岩本素白
手の玄関に小さい古びた衝立を据えたところなども、土地馴れない眼には漢方医者の家を
客商売に造り替えたような感じを受ける。あとで聞けば殆どお馴染さんばかりで、ふりと....