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客席
「客席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客席の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
いや、その前にまだこう云う事があった。あいつが電車へ乗った所が、生憎《あいにく》
客席が皆|塞《ふさ》がっている。そこで吊《つ》り革《かわ》にぶら下っていると、す....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
受けとる時にそこの文字が見えないために、ぎゆつとしごいて貰ふ。 そこで術者は、
客席へ出て花の名を書いた紙を集める。しかし、客が籤へ書いた全部の花を造るのは容易....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
った。 着陸したヘリコプターの貨物庫の中に、金属球を入れた。それから博士たちは
客席へ入った。ヘリコプターは間もなく離陸して、東京へ向った。 とちゅう相談の結....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
モグと口の中に押しかえして黙っちまう。この気配に一同もくさっちゃってそれぞれ元の
客席へ退散という段取りになるのが例だった。この光景を、見ていて見ていないふりをし....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
「課長どの」と多田刑事は警部をオズオズと呼んで、この車輌の一番先端部にあたる左側
客席の隅を指した。 「ここの隅ッ子に龍子が腰を下ろしていました。向い側の窓はたし....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
て、中央の席に坐る。 舞台は花のように賑かだった。 だが、それに引きかえ、観
客席のQX30は、面こそ作り笑いに紛らせているが、胸の裡は鉛を呑んだように憂欝に....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
る。ああ、あたしは吸血鬼! 青年紳士はハッと吾れにかえった。賑やかな竜宮劇場の
客席で聞けば、赤星ジュリアの歌うこの歌も、薔薇の花のように艶やかに響くこの歌詞で....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
ょう」 「さあ、その親許だが」 と老人は暫く考えていたが、「さあ、後に開演中の
客席から大声をあげて飛び出して来た若い女がいたがネ、それがなんでも生みの母親とか....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
高度を増して行く。 タクシーらしいが最新型のフェートンだった。シェードを除った
客席では、一人の中年紳士が黒革の鞄を膝の上に乗せて、激しく揺れながらもとろとろと....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
った。 着陸したヘリコプターの貨物庫の中に、金属球を入れた。それから博士たちは
客席へ入った。ヘリコプターは間もなく離陸して、東京へ向った。 とちゅう相談の結....
「海底都市」より 著者:海野十三
た。今、舞台は「火星人の引越しさわぎ」が演ぜられていて、陽気な笑いが続いていた。
客席は、朧月夜《おぼろづきよ》の森かげほどの弱い照明がしのびこんで来る程度である....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
った。そのうちに彼は、重大な発見に、卒倒《そっとう》しそうになった。というのは、
客席から夢遊病者のようにふらふらと舞台へあがって来た青年こそ、隆夫にそっくりの人....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。男の身体はゆらゆらと蹌踉めいたと思ったら、そのまま欄干を越えて、どさりと一階の
客席の真中に墜落してしまった。わーっ! という叫び声。一時に立上る観客の頭、無数....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
おられて波のようにうねる映写幕には日露戦争の実況(?)が写つていた。 我々は観
客席(といつてもそこは材木と布でしきられた何坪かのじめじめした地面にすぎないので....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
鷺娘は大成功だった、場内を揺り動かすような拍手の中に幕となった。 百合子の母は
客席から楽屋へ飛んで来て、家元に礼を云った。家元は今日の出来栄の見事さを褒めぬい....