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客引き
「客引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「佐渡」より 著者:太宰治
。私は、港の暗い広場を、鞄をかかえてうろうろしていたのである。 「だんな。」宿の
客引きである。 「よし、行こう。」 「どこへですか?」老いた番頭のほうで、へども....
「放浪」より 著者:織田作之助
四辺を憚かる小声で、それでもさすがに鋭くいった。 聴けば、北田は今は温泉旅館の
客引きをしており、小鈴も同じ旅館の女中、いわば二人は共稼ぎの本当の夫婦になってい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
と書かれた絵看板の前だったのです。のみならず、かれはその前へたたずむと、しきりに
客引きの口上に耳を傾けました。 ――
客引きはわめくように口上を述べました。 「....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と集うらしく、両側は殆んど軒並と言っていい程の旅籠屋ばかりです。 だから旅籠の
客引きが、ここを先途と客を呼ぶのに不思議はないが、それにしてもその騒々しさと言う....
「斜陽」より 著者:太宰治
んてのは(と直治の学友の伯爵のお名前を挙げて)あんなのは、まったく、新宿の遊廓の
客引き番頭よりも、もっとげびてる感じじゃねえか。こないだも、柳井(と、やはり弟の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
裸足の少年靴みがき団を筆頭に、花売り娘、燐寸売子、いかさま賽の行商人、魔窟の
客引き――そう言えば、このポウト・サイドには、土人区域の市場を抜けて回教堂の裏へ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
殺と不正を警戒している探偵や、初心者にゲイムを教える手引役や、卓子へ人を集める|
客引き――この成語はナポレオン当時募兵員が巴里の街上に立って通行人に出征を勧誘し....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
あがって、オーヴァーコートの襟を引き立てながら、小さい旅行鞄をさげて歩き出すと、
客引きに出ている旅館の若い者が二、三人寄って来た。 初めてこの土地に下車したの....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
隊たちには、九州の床屋もいたし、名古屋の坊主もいた。北海道の百姓もいたし、伊勢の
客引きもいた。職工も土方もバクチ打もいたのだ。この村の若者も北京に暮し、広東で鶏....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
二号の
客引き 大巻博士が途方にくれながら温泉都市の海岸通りを歩いていると、ポンと背中....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かった、というよりは全くなかったので、乗船客や運搬人や真鍮ボタンの青い上衣を着た
客引きたちの人波にまじって、その船の着くのを待っていた。 汽船が着くと、例の客....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
た晩のことが想い出されるのだった。船を降りた足で、いきなり貸間探しだった。旅館の
客引きの手をしょんぼり振り切って、行李を一時預けにすると、寄りそうて歩く道は、し....
「秋深き」より 著者:織田作之助
、そうだと答えると、もういっぺんお辞儀をして、 「お疲れさんで……」 温泉宿の
客引きだった。頭髪が固そうに、胡麻塩である。 こうして
客引きが出迎えているとこ....
「放浪」より 著者:織田作之助
と四辺を憚かる小声で、それでも流石に鋭くいった。 聞けば、北田は今は温泉旅館の
客引きをしており、小鈴も同じ旅館の女中、いわば二人は共稼ぎの本当の夫婦になってい....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
十銭のはしけに乗って香港の港につくと、旅館の番頭たちが、旗を立てて、声やかましく
客引きにきている。私は人がきのうしろから、まっさきに目にはいった旗の名を大声で呼....