客来[語句情報] » 客来

「客来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

客来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
な訪問が意外であると共に腹立しかった。と同時にまた別荘番が一言《いちごん》もこの客来《きゃくらい》を取次がないのも不審だった。しかしその男は私の冷淡な言葉にもめ....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
つ》に存じます、少々仔細あって申し上げたい儀がございまして罷り出ましたが、大分お客来《きゃくらい》の御様子、折角の御酒宴のお興を醒《さま》しては恐入りますが、御....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
が再び出て来た。彼は玉藻に向かっておごそかに言った。 「主人の少納言、あいにくの客来《きゃくらい》でござれば、御対面はかなわぬとの儀にござる。失礼は御免、早々に....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
しい時間が三十分も過ぎたころだったろう。農場の男がまたのそりと部屋にはいって来て客来を知らせたのは。私の喜びを君は想像する事ができる。やはり来てくれたのだ。私は....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ぞは、あなた方の御覧になるものじゃありますまいよ。はゝゝゝゝゝ。」 「しかし、お客来のところへお邪魔をしましては。」 「なに、構うものですか。」と、老人は打消す....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
よいところへ来てくれたといって、増右衛門はよろこんで奥へ通しました。 「これはお客来の折柄、とんだお邪魔をいたした。」と与茂四郎は気の毒そうに座に着きました。 ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
「あゝ大きに御苦労だが、又廻りの刻限が来たから往ってもらわなければならん、昼間お客来で又た遺失物でもあるといかんから、仁助私が一人で見廻ろう、雪がちらちらと来た....
梅若七兵衞」より 著者:三遊亭円朝
」 と無慾の人だから少しも構いませんで、番町の石川という御旗下の邸へ往くと、お客来で、七兵衞は常々御贔屓だから、 殿「直にこれへ……金田氏貴公も予て此の七兵衞....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ざりまして。」 優しい声で、 「私に、」と品よく応じた。 「はッ、あなた様にお客来にござりまする。」 夫人はしとやかに、 「誰方だね、お名札は。」 「その儀....
一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
り出されたのは、ほんの最近のことであり、飛ぶように売れて大評判であった。 来る客来る客が噂して褒めた。 「左の手に団扇を提げ、右手に茶盆を捧げた、歌麿の描いた....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
と二人の心は、一瞬の間晴々しくなった。 「なにか取り込みでもあるらしいな」 「ご客来だそうでございます。……能面をおもとめなされたそうで」 「ふん、それを見せる....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
うな暮しもなるまい。荒くれ立った男共ばかりでは、屋敷内の掃除も手が廻らぬばかりか客来の折柄などにも不便である。これほどの屋敷をもっている以上、少なくとも然るべき....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ん。往来の人は空馬車が走ると思っていたといいます。 始めて伺った時には、前日お客来だったそうで、床の間に皇后陛下(後の昭憲皇太后)のお短冊が掛軸になって掛って....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
項が細大洩らさず綿密に認められたのを驚嘆せずにはいられない。毎日の天候気温、出入客来、他出等、尋常日記に載すべき事項のほかに、祭事、仏事、音物、到来品、買物、近....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
どもなかなか得られない。まあ小麦の団子を入れるのが余程上等の分で、それも正月とか客来の時にでも喰うが関の山、普通はただ麦焦しの粉を入れて、どろどろに拵えてその中....