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「客筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

客筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
、今度震災後特に眼に付いたのは、その売り物の価格が向上した事と、そのねらっている客筋が違うことである。 毛皮売りは大道商人の中でも一番|高価《たか》いものを売....
縮図」より 著者:徳田秋声
は大抵古新聞に包んで河へ流すことにしているのだった。 田舎の芸者屋では、抱えの客筋であると否とにかかわらず、最寄りの若い男の出入りすることを、都会のようにはい....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
「……これこれ女……」 女は絹行燈の火を掻立てながら振返った。 「そちどもは客筋を見損なってはいやらぬか。ハハハ……身共は始終、この辺を往来致す者……斯様な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こにあの子と言ったのは、その茂太郎のことでありましょう。茂太郎が今宵もしかるべき客筋から招かれたから、出してやったあとで、お角は、こうしてひとりで、物案じをして....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
でもなく、渡り者の多いここらの花柳界ではまず上品な部にかぞえられて、土地でもいい客筋の座敷が多かった。その小鉄が去年の八月、あしたがあたかもその命日にあたるとい....
置土産」より 著者:国木田独歩
人見えて幸衛門さんに今からすぐご足労を願いますとのことなり。幸衛門は多分塩の方の客筋ならんと早速まかり出でぬ。 次の日奥の一室にて幸衛門腕こまぬき、茫然と考え....
蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
。京子よりも本気で怒っていた。洋裁店で、デザインもやり、ミシンも踏んでるのだが、客筋から届けられた南京豆を朋輩といっしょに食べてる時、光子があまり貪りすぎると皆....
高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
てから、熱海の移転先から戻って来て、我儘なお座敷勤めをしている菊千代から見れば、客筋はたいてい、口先ではいろんなことを言いながらも、戦争のことなどはけろりと忘れ....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
通する世の中となっては、もはや竹の皮のお客ではなく、内地はもちろん、外国までがお客筋となった訳でありますから、そこにまた一つの工夫が必要となる訳であります。文明....
ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
じゅうに、いや、大きくいって全欧羅巴に有名になる迄は、可成り流行ったものである。客筋は、主として白耳義のアントワアプや、和蘭のアムステルダムからの宝石商人で、両....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
が深間ありとのことより離れたる旦那を前年度の穴填めしばし袂を返させんと冬吉がその客筋へからまり天か命か家を俊雄に預けて熱海へ出向いたる留守を幸いの優曇華、機乗ず....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
と、私は大きく出た。 この親爺は、この都会の掃除屋仲間では最も古顔で、出入りの客筋を数多く持っていた。私には二人の先輩がいた。一人は四十格好の痩せ形の男で、狡....
雪柳」より 著者:泉鏡花
だなんまいだなんまいだ、片手は上下に振っている。ああ、気の毒だと、あたりの知人、客筋、の行きかえりの報謝に活きて、世を終った、手振坊主の次郎庵と、カチン(講釈師....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
込んで来る。はては同じ一と村の中に双方雑居することともなる。所謂地主筋のものも、客筋のものも、同一の場所で同一の生活をすることとなるのである。かくて今まで風俗や....
春泥」より 著者:久保田万太郎
東京中の新派という新派の役者はみんなあつまった。――それへ持って来て河岸や兜町の客筋、新聞記者や文士、新橋柳橋芳町から手伝いに来た連中だけだってすさまじいものだ....