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「客舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

客舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仙人」より 著者:芥川竜之介
るので、とかく、商売がすたり易い。そう云う時には、ほかに仕方もないから、うす暗い客舎《はたご》の片すみで、鼠を相手に退屈をまぎらせながら、いつもなら慌しい日の暮....
新生」より 著者:島崎藤村
の書籍を除いて、日頃愛蔵した書架の中の殆ど全部の書籍を売払った。それから、外国の客舎の方で部屋着として着て見ようと思う寒暑の衣類だけを別にして、園子と結婚した時....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
うパリに送り還された。(大正8・9「新小説」) この紀行は大正八年の夏、パリの客舎で書いたものである。その当時、かのランスの戦場のような、むしろそれ以上のおそ....
運命」より 著者:幸田露伴
、急に病みて崩ず。蓋し疑う可きある也。永楽帝既に崩じ、建文帝|猶在り、帝と史彬と客舎相遇い、老実貞良の忠臣の口より、簒国奪位の叔父の死を聞く。世事測る可からずと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
旅籠屋に玄関を造ることを許し、上段の間を造ることをも許した。これまで公用兼軍用の客舎のごときもので、主として武家のためにあったような本陣は、あだかもその武装を解....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
てつまらない時、私は蚊にたべられた場所を掻くことを楽しんだことさえあった。パリの客舎でノスタルジーを感じた時、南京虫のきずあとをいつまで掻いて長い時間を消したこ....
ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
、八時を過ぎる頃にようやく巴里に送り還された。 この紀行は大正八年の夏、巴里の客舎で書いたものである。その当時、彼のランスの戦場のような、寧ろそれ以上のおそろ....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
。間もなく卒業したと見えて姿を見せなくなったが、私は後年年不惑を過ぎミュンヘンの客舎でふとその少女の面影を偲んだことがある。あるいは目前に私に対している少女にそ....
寡婦」より 著者:秋田滋
も、一千八百四十一年になさった旅の途次、オペラ座の歌姫にだまされたあげく、巴里の客舎で、同じような死に方をして果てました。 その人は十二になる男の子と、私の母....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
を再遊した上で、翌年の秋のなかばに兄は帰朝した。このインドの旅中に筆を染め諸方の客舎に稿を続けて、翌三十六年の二月にロンドンのマレー書店から公にしたのが、アジア....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
理的の解釈を見出しえぬ故にあえてこれをいう。 (大正十四、七、十一、奥州岩谷堂の客舎において)....
三人の訪問者」より 著者:島崎藤村
さがあって、その力のある花の形は周囲の単調を破って居た。 三年の間、私は異郷の客舎の方で暗い冬を送って来た。寒い雨でも来て障子の暗い日なぞにはよくあの巴里の冬....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ありて眠食す。外人の来たりて泊宿を請うものは、たれびとにてもこれを許す。あたかも客舎のごとし。ただその客舎と異なるは、日没後、門の出入を禁ずるのみ。もし僧徒にし....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
涅毘の峰がそびえている。) 客楼欄外大湖開、晨起先登百尺台、波上茫茫看不来。 (客舎のてすりのむこうに大きな湖がひろがり、朝早くにおきてまずは百尺の台上に登って....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
な処に温泉宿があろうとは嘘のようにしか思われないが、山に沿うて建てられた幾棟かの客舎を見るに及んで、安心したように吃驚しない人はあるまい。鐘釣温泉に来たのだ。湯....