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室内
「室内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
室内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
は操《あやつ》り人形《にんぎょう》の舞台に変ってしまう。舞台はとにかく西洋じみた
室内。そこに西洋人の人形が一つ怯《お》ず怯《お》ずあたりを窺《うかが》っている。....
「文章」より 著者:芥川竜之介
。……
保吉は一人になった後《のち》、もう一本バットに火をつけながら、ぶらぶら
室内を歩みはじめた。彼の英吉利《イギリス》語を教えていることは前にも書いた通りで....
「影」より 著者:芥川竜之介
。窓は、――二階の寝室の窓は、硝子《ガラス》戸をすっかり明け放った向うに、明るい
室内を覗《のぞ》かせている。そうしてそこから流れる光が、塀の内に茂った松の梢《こ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
につれて我々は、陳列室のまん中に据えてあるベンチへ行って、一しょに腰を下ろした。
室内にはもう一人も人影は見えなかった。ただ、周囲には多くの硝子戸棚《ガラスとだな....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
ろと黄色《きいろ》に燃え上ったり、どす黒い灰燼《かいじん》に沈んだりした。それは
室内に漂《ただよ》う寒さと戦いつづけている証拠だった。保吉はふと地球の外の宇宙的....
「早春」より 著者:芥川竜之介
薄ら寒い防虫剤《ぼうちゅうざい》の臭《にお》いばかり漂《ただよ》っている。中村は
室内を見渡した後《のち》、深呼吸をするように体を伸ばした。それから大きい硝子戸棚....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
とその幕は、余興掛の少尉の手に、するすると一方へ引かれて行った。
舞台は日本の
室内だった。それが米屋の店だと云う事は、一隅に積まれた米俵が、わずかに暗示を与え....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。田川夫人の姿はそのへんにはまだ見いだされなかった。塩気を含んだ冷たい空気は、
室内にのみ閉じこもっていた葉子の肺を押し広げて、頬《ほお》には血液がちくちくと軽....
「或る女」より 著者:有島武郎
のいうべき事から先にいい始めた。
「ごめんどうですがね、あす定期検閲な所が今度は
室内の整頓《せいとん》なんです。ところが僕《ぼく》は整頓風呂敷《せいとんぶろしき....
「星座」より 著者:有島武郎
た。
「いいや、本当も本当、先生が自分で遇ってきた出来事なんだ」
この会話で教
室内の空気がちょっと鎮《しず》まった。生徒たちは隙でも窺《うかが》うように柿江の....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
は瓦の黄昏るるごとく色を変えながら、決然たる態度で、同室の御婦人、紳士の方々、と
室内に向って、掠声して言った。……これなる窈窕たる淑女(――私もここにその人物の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そんなことを言ってお爺さんは私を促して右の道場へ歩み入りました。 と見ると、
室内には白衣を着た五十|余歳と思わるる一人の修験者らしい人物が居て、鄭重に腰をか....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
まって、今度は王子の背のあたりから金をめくってその方に飛んで行きましたが、画家は
室内には火がなくてうす寒いので窓をしめ切って仕事をしていました。金の投げ入れよう....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
しないといい、石炭でなくて木の炭を料理に使うことや、セイヌ河岸にいる洗濯女から、
室内の飾りつけ、書物の印刷と種々の事が珍らしかった。 学問の方面の事を書いて見....
「活人形」より 著者:泉鏡花
なる戸口に到り、合鍵にて戸を開けば、雷のごとき音ありて、鉄張の戸は左右に開きぬ。
室内に籠りたる生暖き風むんむと面を撲ちて不快きこといわん方無し。 手燭に照して....