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室外
「室外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
室外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
快でないらしかった。
無言《むごん》の何分かが過ぎ去った後《のち》、突然少将は
室外に、かすかなノックの音を聞いた。
「おはいり。」
その声と同時に室の中へは....
「或る女」より 著者:有島武郎
らあなたでしたの。わたしどもは少し用事ができておくれましたが、こんなにおそくまで
室外《そと》にいらしってお寒くはありませんでしたか。気分はいかがです」
田川夫....
「外科室」より 著者:泉鏡花
然として立ちたるこそ、病者の夫の伯爵なれ。 室内のこの人々に瞻《みまも》られ、
室外のあのかたがたに憂慮《きづか》われて、塵《ちり》をも数うべく、明るくして、し....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
これをつけて直ぐ防禦に立て。あと三十分だッ!」 根賀地は眼と鼻とをすすり上げて
室外へ飛び出した。 「相良氏は松風号のプロペラ設計に当って恐しい仕掛けをつくった....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
ように顔色の良かった看護婦も、俄かに青森産のそれのように蒼味を加えて、アタフタと
室外へ出ていった。 だが彼女は、出ていったと思ったら、五分間と経たないうちに、....
「海底大陸」より 著者:海野十三
むりをするとはどうしたことだろうと、ちょっとふしぎに思いはしたが、少年はそのまま
室外に走りでたのである。なぜなら、事務長に注意をしてやることよりも、このとき、も....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ゆわ》えている綱に、空いている方の手をかけた。彼女はその綱をひいて、博士の人形を
室外に持出す様子を示した。 そのとき、美女はわずかの隙《すき》を作った。 と....
「金属人間」より 著者:海野十三
こからかとび出した。そのとき川内警部の足首の上を、すーッと斬った。そして金属Qは
室外へとび出したのです。そこは廊下です。廊下を博士の居間《いま》のある、奥のほう....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
事は矢張り御神前に静座して精神統一をやるのでございますが、ただ合間合間に私はよく
室外へ出て、四辺の景色を眺めたり、鳥の声に耳をすませたりするようになりました。 ....
「白光」より 著者:井上紅梅
正体の知れぬ陳士成の全身を透きとおして、彼の身体の上に鉄の月明を映じた。 彼は
室外の院子の中をさまよっていたが、眼の裡がすこぶるハッキリしてあたりは静まり返っ....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
る。――幽霊が出るという部屋の中で暗示によって死に至らしめるとか、もっと多いのは
室外からガスを注入したりする。このガスなり毒薬なりが被害者を狂気にして、部屋の中....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、影のように立っていました。 で、することは看護ですな。昇汞水の金盥と並べた、
室外の壁の際の大きな器に、氷嚢から氷が溶けたのを、どくどくと開けていました。けれ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
刀尋段々壊と唱うる時、得三は白刃を取直し、電光|胸前に閃き来りぬ。この景この時、
室外に声あり。 「アカギサン、トクゾウサン。」 不意に驚き得三は今や下枝を突か....
「西航日録」より 著者:井上円了
今建築中)の本堂に接続せる小室の内にあり。その広さ、長さ三間、幅二間くらいなり。
室外に板塀ありて、みだりに入ることを得ず。その傍らに中学校あり。これ、カント先生....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
きは、ほとんど正北に近き方位にあり。没後北天紅を吐き、毫も白昼と異ならず。ひとり
室外のみならず、室内にても灯なくして書を読むを得。太陽のまさに地平線下に入らんと....