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宥恕
「宥恕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宥恕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》賀状を以て拝趨《はいすう》の礼に易《か》え候段《そろだん》不悪《あしからず》御
宥恕《ごゆうじょ》被下度候《くだされたくそろ》。……」
別段くるにも及ばんさ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、御挨拶モ申サズ、日頃ノ御礼言モ申述ベズ、御先へ参リマス御無礼ヲ何卒悪シカラズ御
宥恕下サイ、御多幸ヲ祈ッテ居リマス 一、我等ノ遺骸ハ其ノ儘御埋メ捨テヲ乞フ、竹陵....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、諸事奸吏どもの腹中より出で候おもむき相聞こえ、格別寛大の沙汰をもって、しばらく
宥恕いたし候につき、速かに姦徒の罪状を糺明し、厳刑を加うべし。もし遅緩に及び候わ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
においても御厚意を奉体つかまつらざる場合に落ち行き、苦慮|一方ならず、この段|御
宥恕なし下されたく、尊君様より皆々様へ厚く御詫び申し上げ候よう幾重にも願いたてま....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
誰の世話にもならないでというんだネ。」 と質すと、源三は術無そうに、かつは憐愍と
宥恕とを乞うような面をして微に点頭た。源三の腹の中は秘しきれなくなって、ここに至....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
して腰にぶら下げてあった手拭を取って、卓子の上を綺麗に拭った。そしてワイトマンの
宥恕を哀願したのだった。 「レッド。勘弁ならぬところだが、今日のところは大目に見....
「高浜さんと私」より 著者:寺田寅彦
遺憾ながらこれだけである。高浜さんには礼を失した点も多かろうと思うが昔に免じて御
宥恕を願いたい。 (昭和五年四月、改造社『現代日本文学全集』月報)....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
であると感じた。彼はあらゆる品位を忘れて卑劣になり、新たにいく本も手紙を書いて、
宥恕《ゆうじょ》を嘆願した。それらの手紙は、最初の怒った手紙にも劣らず、やはり馬....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
聴衆を征服し眩惑《げんわく》し支配するの快楽。それは年若き者にあっては、きわめて
宥恕《ゆうじょ》すべきほとんど罪なき快楽ではあるが、しかし芸術と魂とにとっては、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も両腕を広げていてくれて、こちらからなんでも言うことができ、どんなことをも理解し
宥恕《ゆうじょ》してくれる、眼に見えない友へ、自分の心を打ち明けるという慰安を、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ってるとおり、「将《まさ》にパスカルの崇高な狂暴にとらわれんとしかかって、理性に
宥恕《ゆうじょ》を求めながら、痛切な苦悩に陥った」のだった。確実な歩行で、一足も....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を開いたのはただ威嚇《いかく》せんがためのみであった。それは道理ある恐怖であり、
宥恕《ゆうじょ》すべき憤怒である。この不思議なる革命はほとんど突撃の手を振るわな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を愛するがゆえにかえってそれと戦う。しかしながら彼は、対抗しながらもいかにそれを
宥恕《ゆうじょ》すべきものであるかを感じ、抵抗しながらもいかにそれを貴《とうと》....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
とされて、受刑人を五度切りつけた。受刑人は五度ともその打撃の下にわめき声をたて、
宥恕《ゆうじょ》を求めながら生きた頭をうち振った。群集は憤激して石を拾い、みじめ....
「南島譚」より 著者:中島敦
バイのリメイの許に逃げ出す決心がつかないでいた。彼は唯哀願して只管《ひたすら》に
宥恕《ゆうじょ》を請うばかりである。 狂乱と暴風の一昼夜の後、漸く和解が成立し....