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「家令〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

家令の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
聞記者をしている者がいちばん癪に触るのは、横柄な貴族です。また貴族を笠に着ている家令とか家職などという連中です。従って、M侯爵のような、気軽な如才ない人は新聞記....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
れが誰だか、直ぐには考え出せそうもない。自動車は夫人と、その閣下と呼ばれる男と、家令のような中国人とをのせて、静かに動き出した。僕は三十一番街の方に駈け出した。....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
勝手につまみ喰いやお毒見をするのを禁ぜよ、と云うのである。 東京市という一家の家令たる市長が知らぬ間に、台所で議員と吏員がうなずき合って、すき勝手に献立てを作....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
河原《おにがわら》さんの家の下を掘ると、ひどい目にあうぞ。いつだか、鬼河原さんの家令《かれい》とかいう人が、かんかんになって怒って来たからなあ、まあ、鬼河原さん....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ばかり経つと、その言違わず果して富山からだといって尋ねて来たのが、すなわち当時の家令で、先代に託されて、その卒去の後、血統というものが絶えて無いので、三年間千破....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
命じたのだというのだが、死んだ僕の祖父というのは、僕も知っていたが、まるで祖母の家令のようで、火のごとくに彼女を恐れていたのだ。その祖父が、祖母から負けた賭け金....
サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
の方はこの家にとっては大黒柱に相違ないのだ。実際ポウルは給仕頭というよりは一種の家令という方が適切で、もう一歩進んで云えば、侍従ともいいたいくらいである。食事の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
たが、 「ヤ。これはどうしたことだろう。もう今から棺の蓋に釘をうちつけてあるが」家令がすすみでて、 「ほかの場合とちがいまして、御変死のお顔に対面は御前の御名誉....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ないから、妻ヤスノ(三四)が多津子(十五)秀夫(十二)大三(七ツ)の三子をつれ、家令今村左伝(六二)同人妻カメ女(五五)と、ハツエ(二二)佐和子(十七)という二....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
でもあった。 小沼男爵が坂巻多門という生糸商人をつれてきて、 「この男はウチの家令の坂巻典六の兄に当るもので、身許は確かな人物だから、信用して話をきいてやって....
桜の園」より 著者:神西清
ラグーリンのところへ行きます。……あすこの家政を見ることになりましたの……女の家令とでもいうのかしら。 ロパーヒン ではヤーシネヴォ村ですね? 七十キロもあり....
光は影を」より 著者:岸田国士
戚にあたる元伯爵の某だと知つて、急に、乗り気になり、殊に、最初の計画では、伯爵の家令が自分で管理を引受けるつもりでいたところ、主家に対する背任行為が暴露して、急....
奇巌城」より 著者:菊池寛
て駆けつけた。レイモンドがも一人の倒れている男を見ると、それは伯爵の信用していた家令のジャン・ドバルであった。顔は蒼ざめてもう息が絶えているようであった。レイモ....
かもじの美術家」より 著者:神西清
、長い鞭だのをもち、腰帯には犬綱をさげています。八人目のもう一人の男は、伯爵家の家令で、高々と立襟のついた長い狼の毛皮外套を着ています。 わたしの匿れていた箱....
画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
来ぬ、早速その窓を取毀し、時宜に依れば其の室全体を取壊して了わねばならぬと、直に家令を呼んで其の趣を命令した。で、今頃は其の窓も容赦なく取毀されて、継母の執念も....