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家僕
「家僕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家僕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
方へ帰って行って、老祖母《おばあ》さんや、母や、兄夫婦や、それから年とった正直な
家僕なぞと一緒に居て貰いたいと思った。後になって考えると、それが彼の上京後唯一度....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
。 無理に彼をいだいて河を渡ると、むこう岸には大きい石があった。黄はあらかじめ
家僕に言い付けて、その石の上に草をたばねて置いたのである。黄は抱いている男を大石....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を射るようにも見えた。忰は夢のことを思い出して、そのままに埋めて置こうとすると、
家僕の一人がささやいた。 「その鏡は何か由緒のある品に相違ありません。いわゆる掘....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
せる生活である。自分は故郷のある淋しい森のなかの小さな沼のほとりの一軒家に一人の
家僕の少年と二人で住んでいる。自分は自分の心の内の生活についてはこの少年に何ごと....
「地球要塞」より 著者:海野十三
は、叩きだして、どこへ送るのか」 「適宜《てきぎ》に使役《しえき》するつもりだ。
家僕《かぼく》として、日本人はなかなかよくつとめる」 「無礼なことをいうな」 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ということを、彼女に誓った。それからまた伯爵は、彼女の切なる願いによって、自分の
家僕を彼女の家事取締りのために付けてやることをも承諾した。 結婚式は無事に済ん....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
に多くのヌビア人が見られるが、皮膚の黒さは煤で塗られたようである。耕作が嫌いで、
家僕となるように出来て居り、その方面では正直で潔癖で使用者に喜ばれる。カイロのホ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
。 その収税請負人は豪奢な男であった。三十頭の馬が彼の厩舎にいたし、二十四人の
家僕が彼の広間に控えていたし、六人の侍女が彼の妻に侍していた。掠奪と徴発との出来....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
スの熱心さは、あの美しい娘から受け取った数通の手紙のために強められた。娘は、父の
家僕でフランス語を解する老人の助けを得て、自分の考えを恋人の国のことばで表わす手....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
てきた。 最後に酒場《バア》へ行ってみると、わが四代目クラブの万能選手、執事兼
家僕兼コック兼バアテン兼給仕兼運転手兼その他いろいろの詫間《たくま》が氷を割って....
「支那の狸汁」より 著者:佐藤垢石
ぬ。 と疑いを起こしたのである。 そこで張華は、用事の振りして室の外を出て、
家僕に命じて邸内の入口という入口をすべて塞いでしまった。そして、座敷を改めて青年....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
また俘囚の属なるべし。『陸奥話記』に源頼義が藤原経清を斬るに当り、汝先祖相伝余が
家僕たりとなす。しかして経清の子清衡は、みずから東夷の遠酋と称し、俘囚の上頭にい....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
発の際、家族に語りて曰く、「即日帰家すべし」と。しかして、黄昏帰家せざるをもって
家僕を迎わせんとせしに、あいにく不在なるにより、妻、一婢をもって出迎えせしは、す....
「迷信解」より 著者:井上円了
の生じたるを見て、売卜者に占わしめたれば、『必ず増給の沙汰あるべし』といい、その
家僕も足に毛の生じたる夢を見て占わしめたるに、『長病なるべし』といえり。よって家....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
御館藤原氏は、『陸奥話記』によると、源頼義が清衡の父経清を責めて「汝先祖相伝予が
家僕たり。しかして年来朝威を忽諸し、旧主を蔑如す、大逆無道なり」といっており、『....