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家居
「家居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
且つ太祖の子となりしものなり。之に加うるに文忠は器量沈厚、学を好み経を治め、其の
家居するや恂々として儒者の如く、而も甲を※み剣を揮いて進み、創を裹み歯を切って闘....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
南の山と立ち重ねませ 夏山の若葉立ちくぐ霍公鳥なれもなのらな君が御幸に 山のまの
家居る民の族まで御幸をろがむことのかしこさ 御順路の日割によると、六月二十六日....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
の山木は辛抱するぞという人もありしが、実は意気|婀娜など形容詞のつくべき女諸処に
家居して、輪番行く山木を待ちける由は妻もおぼろげならずさとりしなり。 床には琴....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
は行ったこともない敷居の高い家の玄関をでもかまわず正面からおとずれて、それとなく
家居のさまを見るという一種の好奇心のようなものがこれらの小さいこじきたちの興味の....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
を出ず 監獄の中で風情のある木は桐ばかりであったから。 六月二十日 出獄。終日
家居、客とともに語りかつ食う。 二十一日 出社。社中諸君が多忙を極めている間に、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、もう世に出ていた。これも上杉先生の門下で。――思案入道殿の館に近い処、富坂辺に
家居した、礫川小学校の訓導で、三浜|渚女史である。年紀はお京より三つ四つ姉さんだ....
「埋もれた漱石伝記資料」より 著者:寺田寅彦
いう家があった、幼い時のことだから、その夏目家の人については何の記憶もないがその
家居のさまなどは夢のように想い出されるとのことであった。 こういう種類の思わぬ....
「子を奪う」より 著者:豊島与志雄
かった露わな兼子の神経は、憂欝な曇りのうちに沈み込んでいった。彼女は外出を嫌って
家居を好むようになった。必要な用事があっても愚図ついていて、容易に出かけなかった....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
す。茶の湯の方式など全然知らない代りには、猥りに酔い痴れることをのみ知り、孤独の
家居にいて、床の間などというものに一顧を与えたこともない。 けれども、そのよう....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
はとまらずしてその日の暮がたある宿に着きたり。宿に着きても油断せず、合客の様子、
家居の間取等に心づけ、下婢が「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の心地なれば」とて....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
も値しなくなってしまった。 二十年の月日が経過した。ある日、旅先から古い故郷の
家居へたどりついた彼女は、見るかげもなく痩せ衰えて、雨戸を開け、座敷へ這い上るの....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
からず、是に寄りて西入船町を限り、東吉祥寺前に至るまで凡そ長さ二百八十間余の所、
家居取払い空地となし置くものなり。 と記して傍に、寛政六年|甲寅十二月 日とあ....
「鬼無菊」より 著者:北村四海
しかし幸と何事も無く翌日になったが、未だ昨日の事が何だか気に懸るので、矢張終日|
家居して暮したが、その日も別段変事も起らなかった、すると、その翌日|丁度三日目の....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
ば、小酌に疲れを休めて快く眠る。夜半の頃おい神鳴り雨過ぎて枕に通う風も涼しきに、
家居続ける東京ならねばこそと、半は夢心地に旅のおかしさを味う。 七日、朝いと夙....
「古事記」より 著者:太安万侶
なりました御歌、 葉の茂《しげ》つた葛野《かずの》を見れば、 幾千も富み榮えた
家居が見える、 國の中での良い處が見える。 蟹の歌 ――蟹と鹿とは、古代の....