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家屋
「家屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
らしかった。殊に狭苦しい埠頭《ふとう》のあたりは新しい赤煉瓦《あかれんが》の西洋
家屋や葉柳《はやなぎ》なども見えるだけに殆《ほとん》ど飯田河岸《いいだがし》と変....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
中世の城楼を、なんの容赦もなく破壊した。自分は、不忍池《しのばずのいけ》を埋めて
家屋を建築しようという論者をさえ生んだわらうべき時代思想を考えると、この破壊もた....
「或る女」より 著者:有島武郎
あるが、その小屋の数が東に行くにつれてだんだん多くなって、しまいには一かたまりの
家屋ができる。それがシヤトルであるに違いない。うらさびしく秋風の吹きわたるその小....
「或る女」より 著者:有島武郎
が続いて、そのあとに激しい南風が吹いて、東京の市街はほこりまぶれになって、空も、
家屋も、樹木も、黄粉《きなこ》でまぶしたようになったあげく、気持ち悪く蒸し蒸しと....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ていた。底力のこもった鈍い空気が、音もなく重苦しく家の外壁に肩をあてがってうんな
家屋という領土がもろく小さく私の周囲にながめやられた。 突然、ど、ど、ど‥‥と....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私の中にある。 例えばここに或る田園がある。その中には田疇と、山林と、道路と、
家屋とが散在して、人々は各※その或る部分を私有し、田園の整理と平安とに勤んでいる....
「一つの世界」より 著者:伊丹万作
ほろびた国はないというのは前大戦時代の古い戦争学だと思う。ことに日本のような木造
家屋の場合この定理は通用せぬ。 敵は近来白昼ゆうゆうと南方洋上に集結し編隊を組....
「転機」より 著者:伊藤野枝
もっとも、それが一番有効な方法じゃあるでしょうけれど、あんまりですね。」 その
家屋破壊の強制執行は、更に残留民の激昂を煽った。 「そのやり方もずいぶんひどいん....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た機会に、こちらの世界から一|度鎌倉を覗いて見ましたが、赤瓦や青瓦で葺いた小さな
家屋のぎっしり建て込んだ、あのけばけばしさには、つくづく呆れて了いました。 『あ....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
は、横浜から新橋へ汽車の便のあったことと、築地に居留地のあったためと、もう一つは
家屋の構造が例の煉瓦で舶来品を売るのに相当していたためでしょう。 明治七年頃で....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
みちを曲ることにした。この小みちの右側にはやはり高い松の中に二階のある木造の西洋
家屋が一軒白じらと立っている筈だった。(僕の親友はこの家のことを「春のいる家」と....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ない日はほとんどあるまい。 水曜日から木曜日にかけての深更、某街四十番地所在の
家屋に住む者は連続的に二発放たれた銃声に夢を破られた。銃声の聞えたのは何某氏の部....
「一老人」より 著者:犬田卯
。そして遠方に身代を持っている関係上、親である当の半五郎が後見人として、こちらの
家屋敷を管理している、という事情になっているのである。 「そこは人情でな、たとい....
「瘤」より 著者:犬田卯
り大きくなって来た。他村では本税の二三割で済む自転車税の付加が、この村では九割。
家屋税にせよ、宅地税にせよ、いずれもそれ位の付加額がくっついてくる。自転車や牛車....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
たる政略なし」といえる諺は、数世間経験の末発見したる規則なり。 今、西洋社会は
家屋の建築いたって堅牢にして、その防御またいたって厳密なれば、知らず識らず人をし....