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家紋
「家紋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家紋の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「稲生播磨守」より 著者:林不忘
乗《ゆうじょう》ですな。 おなじく二 糸輪覗き桔梗《ききょう》の御紋は、これは御
家紋で? 同三 彫りは、肥後の林重長と観《み》ましたが。 四 いや、お眼がお高い....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
でしょうか?」 アンナ・リヴォーヴナその他の女たちは、黙って払い下げ品ロマノフ
家紋章入りの皿から氷菓と一緒にこまこました思いを飲み下した。例えば、八十五ルーブ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ぞれ道義上の意味を表わしたもので、例せば獅は勇猛、犬は忠誠の印しだ。またその人の
家紋そのまま禽獣を墓碑に添えたのも多い(同誌十一輯三巻三一〇頁参照)。かかる表示....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
欧風|襯衣の裾を垂らして、ゆらりゆらりと荘重に歩く金融業者、眉間に白く階級模様と
家紋を画いている老貴族、額部に宝石を飾った若い女の一行、そのあいだに砂塵を上げて....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ている時、あたしは祖父さんの遺品《かたみ》の、霰小紋《あられこもん》の、三ところ
家紋《もん》のついている肩衣《かたぎぬ》をもってきて藤木さんの肩にかけて見た。す....
「四十八人目」より 著者:森田草平
さらに語を継いだ。「で、戻路にはせめてもと存じまして、長屋の位置を見がてら、その
家紋を読んでまいりましたが、だいたい表通りに向った一棟と、南側に添うた一棟と、総....
「西林図」より 著者:久生十蘭
が池の縁について大きく廻りながら、だんだんこちらへ近づいてきた。 老人は左手に
家紋入りの提灯を、右手に白扇を持ち、二人の前までくると、荘重に白扇をかまえ、 「....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
すを変えて鮨売になり、市中を呼び売りして歩く。うまく三津五郎だと見ぬいたひとには
家紋入りの印物《しるしもの》をくれるという噂が立っているンです。……金春町《こん....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
仕舞っている。そして彼は客を受けるのに少くとも彼の家の紋章が持っている(欧洲古名
家紋章録に載っている)骨董的品位にふさわしい程度には待遇しなければならないと考え....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
川の不動や神田の明神や柳島の妙見や、その頃|流行った諸方の神仏の手洗い所へ矢車の
家紋と馬喰町軽焼淡島屋の名を染め抜いた手拭を納めた。納め手拭はいつ頃から初まった....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
も当意即妙でよく武将の心をつかんでいる。名和家の子孫は江戸時代の頃までも、それを
家紋として、祖先の船上山の功を誇りにしていたとのことだ。長年の感激はいうまでもな....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
んだこともあり、氏も自身藤原とは書いているが、菅原氏だという説もある。これは彼の
家紋が「梅鉢」であった所から附会して後人がいったものであろう。 いずれにしろ「....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
簾などを新たに制定した。旗幟の印には、永楽通宝を黒地に白く抜き出した。また従来の
家紋は、橘であったが、それも更えて、藤巴とした。 山崎城内の神前で、軍旗祭の執....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
まちがえられぬように、村の家々の数が多くなるほどずつ、苦心を積み重ねて来たことは
家紋や家じるしも同じで、つまりは田の神はすなわち家の神という信仰が、近い世代まで....