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家計簿
「家計簿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家計簿の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
《てんじょう》を睨《にら》んでいた。 まえまえから、蝶子はチラシを綴《と》じて
家計簿《かけいぼ》を作り、ほうれん草三銭、風呂銭《ふろせん》三銭、ちり紙四銭、な....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
て、見るべきものに目をつぶり、聞くべきものに耳を塞いで自分の歌ばかり歌って来た「
家計簿の頁をくる代りに『国家、家族私有財産の起源』の頁を繰っていた視角からは、老....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
れは成程今までの諸官省の据置月給のひどさから見れば、一応適正な処置である。しかし
家計簿と最低賃金四百五十円也というものを睨み合せて見ると、不思議なことが起る。国....
「モラトリアム質疑」より 著者:宮本百合子
を語っている。だからこそ、モラトリアムではなかろうか。そうだとすれば、どこの家の
家計簿も、やすやすと世帯主三〇〇円、一人ます毎の一〇〇円也の預金引出しを算出しか....
「キュリー夫人の命の焔」より 著者:宮本百合子
買いました。家事の雑用を最も手まわしよくやって三時間。それからマリヤの夜の時間は
家計簿の記入と中等教員選抜試験準備のためにつかわれて、朝の二時三時まで二つしか椅....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
きりの引出しに手紙道具、右横の物入れになっているところにはノリやメモや本や名簿や
家計簿や。 こうしていささか心にいとまを生じ、部屋の模様更えなどをしていると、....
「立枯れ」より 著者:豊島与志雄
られるにすぎない。収支決算の帳尻がよく合っていくのだ。ところが、独身者の身体は、
家計簿のない家庭のようなもので、収支の関係がめちゃくちゃになり、生産と消費との平....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、作曲家であったから、作曲にとりかかった。字を書くこともろくに知らないうちから、
家計簿の紙をもぎ取り、四分音符や八分音符を一生懸命に書きちらした。しかし、自分の....
「新妻の手記」より 著者:豊島与志雄
棒して下さいよ。どんなに長くなっても一ヶ月で帰って来ます。」 母はそう言って、
家計簿をはじめすべてのものを、私の手に渡した。 思えば、表面は全く平穏無事で、....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
むだ費いもしない。ときに亭主に黙つて好きな陶器や家具を買うくらいが関の山である。
家計簿はつけたことがない。私がどんなにやかましくいつても頑として受け付けない。そ....
「日記」より 著者:宮本百合子
春の妙にムカムカした天気と、衝動的な空気が頭の平静を破って実に苦しい気持がする。
家計簿記がベリーグードなのは滑稽。 三月中にどうしても「貧しき人々の群」を書き....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》にとりかかった。まだ字《じ》を書《か》くことさえよく出来《でき》ないうちから、
家計簿《かけいぼ》の紙《かみ》をちぎりとっては、いろいろな音符《おんぷ》を一|生....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
、何気なしに、妻の机の上を見ると、いつもきちんと片づけてあるのに、今日に限って、
家計簿も出しっぱなしになっている、日記帳の上には万年筆もころがっている。 「ほう....