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家財道具
「家財道具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家財道具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
は累《るい》を及ぼさん事を恐れ、これを主人に託しおく。金も当分は送れぬ。困ったら
家財道具を売れ。そのうちにはなんとかする。読後火中」
とだけしたためて葉子へ....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
とっては堪《たま》ったものではない。禿《はげ》頭に捩《ね》じ鉢巻で、血眼になって
家財道具を運ぶ老爺《おやじ》もあれば、尻も臍《へそ》もあらわに着物を掀《まく》り....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で備前屋へ行くと、家のなかはまだ一向片付いていないらしく、ゆうべ持ち出したままの
家財道具が店いっぱいに積み重ねられて、ほこりと薬の匂いが眼鼻にしみた。その混雑の....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
貼っている。その札も、黒くくすぶっている。八畳の奥は部屋のあることを示している。
家財道具はほとんどなし。 母屋の左に接近して、一棟の建物がある。画られて、牛小屋....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
とが大きな喜びであった。その頃、私の家は財産税などで、だんだん土地を手ばなしたり
家財道具を売りはなしはじめたりしていた。そうして父は衰弱し神経をふるわせてばかり....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
結婚式の日はいよいよ近づいてきた。ある日、中庭へ数台の荷馬車を挽き込んで、それに
家財道具や衣裳類を山のように積んであるのを見て、ガブリエルはびっくりした。次の日....
「火の扉」より 著者:岸田国士
させ、しゆうとの乃婦と義妹の百々子とを連れて神戸へたつた。 あれもこれもという
家財道具のさらえかたであつた。夫の身のまわりのものも、おゝかた引出され、井出家に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ようなカトリーナが、子供たちも大ぜいいっしょに、馬車の上に乗り、中にはごたごたの
家財道具をいっぱい積みこんで、下には壺やら薬罐やらをぶらさげているのだった。そし....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
はないが、まア当然……それはあえて怪しまないが、村の巡査と共にやって来た役人が、
家財道具など物色したが、結局、二百円なにがしに相当するものは、厩にもそもそと藁を....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
したのだった。実際、はたから見たらぽかんとしていたかも知れなかったのである。 「
家財道具みんな売り払ったばかりでなく、畑作まで処分して出かけたッち話だね。」 「....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
取りに行けば、いつの間にかなくなっているし、伊部の所に雪子の著物を借りに行けば、
家財道具を差し押えられている最中だ。おまけに、伊部に会いに渡辺橋まで来てみれば、....
「座右第一品」より 著者:上村松園
のつけようがないと思ったことがありました。火の手があまり急に強くなりましたので、
家財道具を取り出すという余裕もありませず、イザ身一つで避難しようとします時、何ぞ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の持家に住っていた。シカモ余り広くはなかったが、木口を選んだシッカリした普請で、
家財道具も小奇麗に整然と行届いていた。親子三人ぎりの家族で、誰が目にも窮している....
「城」より 著者:カフカフランツ
、わたしたちにはこの小屋があてがわれたのです。一台の手押車を使って、わたしたちは
家財道具を二、三回で運んできました。バルナバスとわたしとが車を引き、父とアマーリ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
業員たちで、軍から払下げられた一九式|梱包用の原紙を使い衣装ばこを作って売出し、
家財道具を失った人々に好評を博したものである。 私は昭和二十八年には業界視察の....