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「容れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

容れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
疇にまとめて、 「これを九淵の説と云って、水はいろいろの変化で向うが、それを受け容れる淵はたった一つなのだ。この淵の無心な気持ちになっていれば世間がどう変りこっ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
なかった。たまたま崖邸から女中が来て、苦情を申立てて行くと、その場はあやまって受容れる様子を見せ、女中が帰ると親達は他所事のように、復一に小言はおろか復一の方を....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
分たちの眼の前に開かれるか。ほとんど見当が付かなかった。福地先生は外部から脚本を容れることを拒むような人ではなかった。むしろ大抵の場合には「結構です」と云って推....
沈没男」より 著者:海野十三
リッチの三根拠地のいずれかにて、英艦に乗込みたき旨要請したのであるが、それは彼の容れるところとならず、わざわざ北方スコットランドのそのまた極北のはなれ小島である....
転機」より 著者:伊藤野枝
その問題について考えていた。Tのいったことも、漸次に、何の不平もなしに真実に受け容れる事ができてきはしたけれど、最初からの私自身が受けた感じの上には何の響きもこ....
男女関係について」より 著者:大杉栄
発しなければならない筈だ。もし諸君が、互いに個人としての交際において、まったく相容れることのできない人々であるならば、その間に僕があるからといって、何でも強いて....
巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
進めて下さい。」 お前は最近の手紙にこう書いた。私はおまえのいうことを素直に受容れる。だが、この言葉はまた、おまえ自身、頑な現実の壁に行き当って、さまざまに苦....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。 かるが故に、心から真理を求むる人士のみが、神に関するわれ等の示教を受け容れることができる。一部の人士は、自分たちが完全なる知識の所有者であると空想する....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、あとであなたにもわかる時があります」 そこで、バーグレーヴ夫人は彼女の懇願を容れるために、ペンと紙とを取りに行こうとすると、ヴィール夫人は、「今でなくてもよ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
苦情を申し立てようとしているということを二等運転士から聞いたが、船長がそれを受け容れるかどうかは甚だ疑わしい。彼は非常に獰猛な性質であり、また彼の権限を犯すよう....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
章に限りなき思いを訴えてやったら、塩冶の妻の魂もおのずと揺らいで、たといその恋を容れるというほどの色よい返事はなくとも、せめては父の胸の結ぼれる解くほどの優しい....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
になる。それらを考えると、わたしたちも弱気になって、お互いに我慢して先方の註文を容れることにした。もう一つには、かれらが意地悪くわれわれを困らせようとするのであ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ったに違いない。かつ天下国家の大問題で充満する頭の中には我々閑人のノンキな空談を容れる余地はなかったろうが、応酬に巧みな政客の常で誰にでも共鳴するかのように調子....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
としていたから、一から十までが干渉好きの親分肌の矢野次郎の実業|一天張の方針と相容れるはずはなかった。算盤玉から弾き出したら矢野のいう通りに温和しくなってる方が....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
陸宣公で培われた頭は露西亜の文学の近代的気分に触れてもその中に盛られた自由思想を容れるには余りに偏固になり過ぎていた。 二葉亭が小説家型よりは国士型であるとい....