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容態
「容態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
容態の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
したまま、茶の間の隅に坐《すわ》った親子に有り合せの菓子や茶などをすすめ、玄鶴の
容態を話したり、文太郎の機嫌をとったりし出した。………
玄鶴はお芳を囲い出した....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
て、蘭袋《らんたい》の薬を貰ってから、まだ十日と経たない内に、今日か明日かと云う
容態《ようだい》になった。彼はそう云う苦痛の中にも、執念《しゅうね》く敵打《かた....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
で呼び立てました。勿論この女中の「坊ちゃんが――」は、お栄の耳にも明かに、茂作の
容態《ようだい》の変った事を知らせる力があったのです。が、祖母は依然として、今は....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
はしご》の上り口へ胸まで覗《のぞ》かせているだけだった。
「どうもお律《りつ》の
容態《ようだい》が思わしくないから、慎太郎《しんたろう》の所へ電報を打ってくれ。....
「或る女」より 著者:有島武郎
まったかと思うころには木村が欠かさず尋ねて来た。そして毎日くどくどと興録に葉子の
容態を聞きただした。興録はいいかげんな事をいって一日延ばしに延ばしているのでたま....
「或る女」より 著者:有島武郎
術を受けてから三日を過ぎていた。その間非常に望ましい経過を取っているらしく見えた
容態は三日目の夕方から突然激変した。突然の高熱、突然の腹痛、突然の煩悶《はんもん....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
はわれながら意想外であったと思うにつけ、深夜十二時あえて見る人もないが、わがこの
容態はどうだ。腐った下の帯に乳鑵二箇を負ひ三箇のバケツを片手に捧げ片手に牛を牽い....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のお光をお連れなさいまして、縁日へ。」 「そうか、娘が出歩行くようじゃ、大した御
容態でもなしさ。」 と少し言が和らいで来たので、主税は吻と呼吸を吐いて、はじめ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
られた……」 そういっているときに、目賀野が連れていた医師が入って来て、博士の
容態《ようだい》について報告した。目下|麻痺《まひ》症状がつづいている。その原因....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
年は生れてから死ぬまでを一つと算えることにする。一体日本人は早くもったいぶったり
容態ぶったりしたがる。したがって三十越すともう並のかけ足さえできないで、家鴨のよ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ルガー夫人の出血はようやく停った。絶対安静を命ぜられているが、しきりに赤ちゃんの
容態のことを気にして、大きな声で泣いたり急に暴れだしたりするので、医局員は困って....
「火薬船」より 著者:海野十三
のさわぎをよそにハルクのねている倉庫の中にとびおりた。 「おい、ハルク。どうだ、
容態は?」といったが、竹見は、けげんなかお! 「おや、ハルクがいない。あいつ、動....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
白い繃帯でもって一面にぐるぐる捲きつけられていた。 枕許には、英人のドクトルが
容態をみまもり、そのほか二人の英国生れの金髪の看護婦がつきそっていた。 またそ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ろとなり、それは一度快方に赴いて暫く杜を悦ばせた。けれども年が明けるとともにまた
容態が悪化し、遂に陽春四月に入ると全く危篤の状態に陥った。ミチミが他界したのは四....
「米」より 著者:犬田卯
た自分の鋤簾をつかみ、器械的にそれを掘割へ投げこんだ。 さて、その頃、ヨシ子の
容態が急に悪いといって、おせきは再びおさよから迎えを受け、家へとんでかえって、あ....