宿を取る[語句情報] » 宿を取る

「宿を取る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿を取るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
泥足で駈込んだ、此方《こっち》へ上りなさえ、江戸の者が在郷へ来ては泊る処に困る、宿を取るには水街道へ行がねえば無《ね》えからよ」 新「はい水街道の方から参った....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
川崎あたりで泊まって、あしたの朝のうちに江戸入りというのであるが、江戸を前に見て宿を取るには及ぶまい。急いで行けば四ツ(午後十時)過ぎには江戸へはいられると、一....
船医の立場」より 著者:菊池寛
八日の午後であった。昨日途中で見た二艘の火輪船は、港口近くに停泊していた。二人は宿を取ると、すぐ港を警衛している役人たちに会って、それとなく黒船の様子をきいてみ....
行人」より 著者:夏目漱石
の消息を待って、なお二三日岡田の厄介になった。実をいうと彼らは自分のよそに行って宿を取る事を許さなかったのである。自分はその間できるだけ一人で大阪を見て歩いた。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
三月上旬に登城するのが習いで、オランダ人は日本橋|石町三丁目の長崎屋源右衛門方に宿を取ることに決まっていました。その時には将軍家に種々の献上物をするのは勿論です....
太虚司法伝」より 著者:田中貢太郎
った。 ただ大異の困ったのは、目的地がまだなかなかこないのに日が暮れかかって、宿を取るような人家のないことであった。大異は普通の人のようにあわてはしないが、寒....
うつり香」より 著者:近松秋江
去った人です。一旦切れてしまえば、あなたと私とはもう赤の他人ですから、どこか他へ宿を取るなり、友達のところに行くなり、よそへいって泊って下さい」 「…………」 ....
縮図」より 著者:徳田秋声
て来た自動車が還って来て、それに乗ることができた。銀子はここを通過して、上諏訪で宿を取ることにしてあったので、均平は独りで青嵐荘へと車を命じた。ここには名士の別....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
軒の宿屋にも少なからぬ客が泊っていました。 笹子峠を下って来た客もこの黒野田で宿を取る。笹子峠へ上ろうとする旅人もここで泊って翌日立とうとするのだから、自然に....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
た。 財嚢のはなはだ乏しいジョヴァンニは、ある古い屋敷の上の方の陰気な部屋に下宿を取ることにした。これはあるパドゥアの貴族の邸宅ででもあったらしく、その入り口....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
咲《さい》ているのを珍しく眺めた。 その頃では私の父位の身分の一行であっても、宿を取ることになればその宿は一行で借切ったもので『相宿は許さぬ』と告げ、宿屋もそ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
嬢様は旅ははじめて、さぞお疲れでござりましょう。少しばかり早くはござりますが、旅宿を取ることにいたしましょう」――四十歳あまりでたくましくて、忠実らしい下僕はい....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
」 「いや本気で仰有るとなら、実に近頃お見上げ申した御方様で。どうもこの文無しで宿を取る人間に限って、大きな顔をして威張り散らして、散々大尽風をお吹かせの上、い....
埋もれた日本」より 著者:和辻哲郎
く老夫婦を縛り上げ、笞うち、責めさいなんで、山から引きずりおろして来た。里に出て宿を取るときには、逃亡を怖れて老夫婦に磨り臼を背負わせた。老夫婦の受けた苦難はま....
世間師」より 著者:小栗風葉
しばかりの旅費もすっかり払きつくしてしまった。町へ着くには着いても、今夜からもう宿を取るべき宿銭もない。いや、午飯を食うことすらできないのだ。昨夜は夜通し歩いて....