宿世[語句情報] » 宿世

「宿世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
は、やはり壺《つぼ》をいじりながら、「夜があけると、その男が、こうなるのも大方|宿世《すくせ》の縁だろうから、とてもの事に夫婦《みょうと》になってくれと申したそ....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
勘弁なすって下さい、己もお前も親はなし、親族《みより》も少い体で斯うなるのは全く宿世《すぐせ》の約束だなア」 村「あい、さア、友さん早く私を突飛《つきとば》し....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
かれの面《おもて》にあやかしの相は消えぬ。救おうとしても救われまい。これも逃れぬ宿世《すくせ》の業《ごう》じゃ」 弟子たちももう彼のゆくえを探そうとはしなかっ....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
はずだ。唐茄子《とうなす》のうらなり君が来ていない。おれとうらなり君とはどう云う宿世《すくせ》の因縁かしらないが、この人の顔を見て以来どうしても忘れられない。控....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
く稲妻の眉に落つると見えて消えたる心地《ここち》がする。倫敦塔《ロンドンとう》は宿世《すくせ》の夢の焼点《しょうてん》のようだ。 倫敦塔の歴史は英国の歴史を煎....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
なかつくろうとしてつくれるものではありませんね。人の世のかなしさ、うれしさは深い宿世の約束事でございます。 唯円 私は縁という事を考えると涙ぐまれるここちがしま....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
し、必ず御無念を、このお子の手で晴らさせて御覧に入れます」 ほんに、どのような宿世《すくせ》であったか、その晩以来、雪太郎は、菊之丞の手に引き取られて、やさし....
死者の書」より 著者:折口信夫
――あれはの、生れだちから違うものな。藤原の氏姫じゃからの。枚岡の斎き姫にあがる宿世を持って生れた者ゆえ、人間の男は、弾く、弾く、弾きとばす。近よるまいぞよ。は....
ほととぎす」より 著者:堀辰雄
と入らしって下さい、是非お会いしたい事がありますから。どうぞお母あ様には、自分の宿世《すくせ》が思い知られました故何も申し上げませぬ、とお言付ください」などと、....
かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
う物思いにもってこいのような栖をさえ自分から好んでせずにはおられなくなった自分の宿世《すくせ》の切なさと、――それともう一つは、自分の死後に、日頃こうして自分の....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
たびお目にかかる事なんかあるもんですか」とまだ返事をしない、母は重ね「男女の縁と宿世の縁は今がはじまった事じゃあないじゃありませんか。千年までも末の世までもと契....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
か? 女3 でも、私達女は昔からそう云う運命なんですもの。仕方がないと思うわ。「宿世と云うこと、ひく方|遁れわびぬることなり」って、どなただったか忘れたけど、お....
或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
ーい、その舟、その筏、影はだんだん薄れて行く。もうすっかり見えなくなった。拙ない宿世か、前世の悪業か、あーあ今日もまた、極楽への行き損じか。誰を恨まんようもない....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
くし、飄然駆け落ちの旅に出発したジェルメーヌ後家その人であったというのは、これも宿世《すくせ》の因縁といわねばなるまい。しかるにその夜、ジェルメーヌ後家は次のよ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
すのじゃ。それがために、この世では身を傷り家をほろぼし、来世は地獄に堕つるとも、宿世の業じゃ、是非もござるまいよ。」 彼は悟り切ったように澄ましていた。女は少....