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「宿役人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿役人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にただの茶つぼが街道《かいどう》を通っていっても、お茶つぼご通行と称して、沿道の宿役人はいうまでもないこと、代官、国守までがお出迎えお見送りをするほどのご権勢な....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ってのごきげんで、おそくも夕景六ツ下がりまでには品川の宿へご参着のご予定、という宿役人からの急飛脚がございましたものでしたから、将軍家ご名代の老中筆頭松平知恵|....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
も新宿に追分という地名が残っているのだそうで、いずれにしても管轄違いならば、当然宿役人の手によって諸事万端処理さるべきはずなのに、ぜひにも名人でなくばという名ざ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
村に生まれた。吉左衛門は青山の家をつぎ、金兵衛は、小竹の家をついだ。この人たちが宿役人として、駅路一切の世話に慣れたころは、二人ともすでに五十の坂を越していた。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
方から言い出すいろいろな問屋場の近況に耳を傾けていた。 「大旦那、店座敷(ここは宿役人の詰め所をさす)の方でお茶を一つお上がり。まだ役人衆はどなたも見えていませ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
り付けに応ずべきよしの通知もやって来た。 半蔵は会所の方へ隣家の伊之助その他の宿役人を集めて相談する前に、まず自分の家へ通って来る清助と二人でその通知を読んで....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
が四人も控えた。村じゅうのものがそこへ呼び出された。六十一人もの村民が腰縄手錠で宿役人へ預けられることになったのも、その時だ。七十歳以上の老年は手錠を免ぜられ、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ行っても、この裸虫には弱らせられる」 一行は川越しの小屋のところまで来ると、宿役人から先に出向いていて、しきりに人足を指図していました。 「おいおい御支配の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。 それにも拘らず、先生は、裸松の病床でしきりに診察を試みながら、居合わす宿役人らをつかまえて気焔を上げているのは、宿酔い未だ醒めざるの証拠であります。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を抜いてふいにきりかかったから、その時も、おれと二人で打ちのめして縛ってやった。宿役人に引渡して聞いたら酒乱だと言った。 十一月初めに江戸へ帰った。それからまた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
コワイコトハ無カッタ」 と、剣術道具を荷《にな》い、腹を据《す》えて出て来て、宿役人を愚弄《ぐろう》する、お関所を狼狽《ろうばい》させる、大手を振って東海道を....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ら、その喧噪《けんそう》、その無茶まことにおはなしにならない。 あまりの騒動に宿役人が出張して来て、身がら、いく先などを型《かた》ばかりにしらべていったが、こ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
市人、見物の群、馬を買う人、馬を売る人、香具師の男女、貸元衆や乾児、非常を警める宿役人、関所の武士達、旅の男女――人、人、人で宿は埋もれ、家々の門や往来には、売....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
事など、お側小姓も、お付女中も、手の出しようが無い為に、異例では有るが本陣の娘、宿役人の娘など急に集めて、御給仕だけはさせたのであった。 「駕籠の戸を笹尾が早う....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
鶴見の夜泊りで獄口《ごくぐち》を蹴って軍鶏籠抜《とうまるぬ》けという早業を見せ、宿役人の三人も殺《あや》めた後、どうやらまたぞろお膝下へ舞い戻ったらしいとの噂と....