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「宿直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宿直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
うなけはいは見えなかった。…………… 横浜。 日華洋行《にっかようこう》の宿直室には、長椅子《ながいす》に寝ころんだ書記の今西《いまにし》が、余り明くない....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
がございません。が、この事は後でまた、申上げる事に致しましょう。 その日、丁度宿直に当っていた私は、放課後間もなく、はげしい胃痙攣《いけいれん》に悩まされたの....
或る女」より 著者:有島武郎
られまい。それだけの狼狽《ろうばい》をさせるにしても快い事だと思っていた。葉子は宿直|部屋《べや》に行って、しだらなく睡入《ねい》った当番の看護婦を呼び起こして....
ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
けである。 「やあ、いまお帰りでありますか」 不意に声をかけたのは、裏門を守る宿直の守衛だった。私は黙礼をして、門をくぐった。 「そうだ、先生が地球を飛びださ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
と騒動あるのではないかと思った僕は、不図気づき、公衆電話箱に飛びこんで、検事局の宿直室を呼んでみた。話中で暫く待たされたけれど、やがて向うの電話口に現われたのは....
白蛇の死」より 著者:海野十三
何よりであった。 「土岐さん、一寸土岐さん!」 大声で揺り起されて土岐健助が、宿直室の蒲団の中からスッポリと五分刈頭を出したのは、もう朝も大分日が高くなった頃....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
舞踊 「――検事さん! 雁金さんは何処へ行かれた?」 と、慌ただしく、検事局の宿直室に飛びこんで来たのは、大江山捜査課長だった。 「おう、どうしたかネ、大江山....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
て窓から闇を透かしたが、何も見えない。いや見えた、灯が一つ。不用意の灯、試験所の宿直がそうなら呑気すぎる。 電車は五反田駅前でぴたりと停る。「はい十銭」「はい....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
に仮営業所の全部に火が廻って、到頭隣家の二三軒までも焼落ちて了った。此晩の丸善の宿直が揃いも揃って近視鏡を用ゆる三名、寄宿の小僮が十名。唯った之ぎりの人数だから....
少年探偵長」より 著者:海野十三
と二階についていた。一階は運動具をおさめる室などがあり、二階は図書記録室の外に、宿直室があった。今はこの宿直室は体操の先生である立花カツミ女史が寝泊りしていた。....
金属人間」より 著者:海野十三
。いったいぜんたいどうしたんだ」 同僚が警笛《けいてき》を吹いたので、たちまち宿直《しゅくちょく》の連中がかけつけて、人事不省《じんじふせい》の警官をとりまい....
空襲警報」より 著者:海野十三
屋の大将の手許を見ている。 彼はポケットから綿をつかみだした。炭と綿とは、駅の宿直室から集めてきたのだった。――綿をのばしたのを三枚、抜けた壜底から上の方へ押....
黒百合」より 著者:泉鏡花
で、お前さんのような御身分じゃあ、鎖を下ろした御門もあろうし、お次にはお茶坊主、宿直の武士というのが控えてる位なもんじゃあないか。よくこうやって夜一夜出歩かれる....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ました。からだのことだけでいうと、大あたまの男でしたが、これが、ちょうどその晩、宿直に当っていました。雨もざんざん降っていました。しかし、このふたつのさわりには....
式部小路」より 著者:泉鏡花
消えた。薄暗を、矢のように、上衣なしの短衣ずぼん、ちょうど休憩をしていたと見える宿直の医師がね、大方呼びに行ったものでしょう、看護婦が附添って、廊下を駆けつけて....