宿縁[語句情報] »
宿縁
「宿縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宿縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「賈后と小吏」より 著者:田中貢太郎
仙妃と青年に酒を注いだ。青年は不安がないでもなかったが、仙妃の態度が未だ了らざる
宿縁を続ぐ以外に何もないように見えるので、注がれるままに酒を飲み、奨めらるるまま....
「雷峯塔物語」より 著者:田中貢太郎
ゃった」 許宣はそこではじめからのことを話した。和尚はそれを聞いて言った。 「
宿縁だ、しかし、お前さんの欲念が深いからだ、だが、災難はもうすぎたらしい、これか....
「蘇生」より 著者:田中貢太郎
五の時亡くなっておる者でございますが、それから三十年して、あなたにかたづくという
宿縁がございます」 王は不思議な女の言葉に耳を傾けて聞いていた。話の後で女は起....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
にて念仏申さるる人」は「妻帯して念仏申さるる人」よりも業の浅き人である。「何事も
宿縁まかせ」にてこれをしいて固執することはできないけれども、身を聖潔に保ち得るこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だが、人間というものは、猫を飼うべく出来ているもので、猫を殺さねばならぬ前世の
宿縁というようなもののないはずであるのに、罪のないのに南泉坊に切られたり、こんな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
す。かなり大胆不敵の米友も、お角に一言いわれると身がすくむようになるのは、前世の
宿縁というものか知らん。 「あッ」 と言って、さすがの米友が舌を捲いて、面《かお....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《そうこく》するように、力の問題ではなくて、気合のさせる業。理窟の解釈はつかない
宿縁というようなものの催しでしょう。 とにかく、米友は、やみくもに出発しようと....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
ゃった」 許宣はそこではじめからのことを話した。和尚はそれを聞いて云った。 「
宿縁だ、しかし、お前さんの慾念が深いからだ、だが、災難はもうすぎたらしい、これか....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
けた。 「私にはお前があるし、お久美には今は連れ添う男があると知ったから、前世の
宿縁とあきらめすべてを知らぬフリでこのまま過したいと思っていたが、お米お源が現れ....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
い。それが人間という生命と鳥という生命との、宇宙のなかにおける運命といいますか、
宿縁があって、それはどういうふうにもすることができないようになって、そういうもの....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
※歩敢て忘れん慈父の訓 飄零枉げて受く美人の憐み 宝刀|一口良価を求む 貞石三生
宿縁を証す 未だ必ずしも世間偉士無からざるも 君が忠孝の双全を得るに輸す ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
手として、やつしの名人として、江戸と京との歌舞伎の為にも、烈しく相争わねばならぬ
宿縁を、持っているのであった。 京の歌舞伎の役者達は、中村七三郎の都上りを聴い....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
きく、世にも偉い御仁であったと申す。そのお方は、人の生命を司る運命《さだめ》と、
宿縁をないがしろにする者のかなしみとを、後代のものに示さんとおぼし召されて、これ....
「法然行伝」より 著者:中里介山
たから、その行状が広く世に知られていない。 大体以上の如く主なる法然の門下或は
宿縁ある人の行状を記し了った。この外法本房行空、成覚房幸西は共に一念義をたてて法....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
妻の棺を瀧井さんに持っていただいたということは恐縮なことではあったが、私はなにか
宿縁のようにも思われて、有難いことだった。 私は葬儀屋の若い人と、妻の棺を抱え....