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宿舎
「宿舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宿舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
言う君子の一人――或高等学校の文科の生徒はリヴィングストンの崇拝者だった。同じ寄
宿舎にいた信輔は或時彼に真事《まこと》しやかにバイロンも亦リヴィングストン伝を読....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
う》に一同の顔を見まわした。円卓《テエブル》のまわりを囲んでいるのは同じ学校の寄
宿舎にいた、我々六人の中年者《ちゅうねんもの》である。場所は日比谷《ひびや》の陶....
「彼」より 著者:芥川竜之介
がたがた身震《みぶる》いをする二階である。まだ一高《いちこう》の生徒だった僕は寄
宿舎の晩飯をすませた後《のち》、度たびこの二階へ遊びに行った。すると彼は硝子《ガ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
でも来るつもりだった。」
僕は彼の昔から愛想の好いのを思い出した。譚は僕等の寄
宿舎生活中、誰にも悪感《あくかん》を与えたことはなかった。若《も》し又多少でも僕....
「或る女」より 著者:有島武郎
っているうちに葉子の心には火のような回想の憤怒が燃え上がった。葉子はその学校の寄
宿舎で一個の中性動物として取り扱われたのを忘れる事ができない。やさしく、愛らしく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
|穿で急いで来て、 「ああ酒井様。」 と云う。優等生で、この容色であるから、寄
宿舎へ出入りの諸商人も知らぬ者は無いのに、別けて馴染の翁様ゆえ、いずれ菖蒲と引き....
「春昼」より 著者:泉鏡花
色あい、マッチの燃さしの突込み加減。巣鴨辺に弥勒の出世を待っている、真宗大学の寄
宿舎に似て、余り世帯気がありそうもない処は、大に胸襟を開いてしかるべく、勝手に見....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
やっとこの急なところを登るとよほど楽になる。二町も行くと、わが仰ぐ行手に学校の寄
宿舎を集めたような建物が後ろに山を背負って巍然とたっている。その建物はことごとく....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
「あす君は帰るんや。なア、僕は役場の書記でくたばるんや。もう一遍君等と一緒に寄
宿舎の飯を喰た時代に返りたい」と、友人は寝巻に着かえながらしみじみ語った。下の座....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
恒藤恭は一高時代の親友なり。寄
宿舎も同じ中寮の三番室に一年の間居りし事あり。当時の恒藤もまだ法科にはいらず。一....
「寡婦」より 著者:秋田滋
私はそれでけりがついたものとばッかり思っていたのです。 秋になるとその少年は寄
宿舎に入れられました。翌年の夏にその少年が帰って来た時には、私はほかの男と婚約を....
「中支遊記」より 著者:上村松園
運はすでに定っていたのかも知れない。 南京にて 十三日。南京に着いて
宿舎に憩う暇もなく汪精衛主席に会う都合がついたからと公館に挨拶に出かけることにな....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
の物真似は書生の課外レスンの一つであった。二葉亭もまた無二の寄席党で、語学校の寄
宿舎にいた頃は神保町の川竹(その頃は川竹とはいわなかったが)の常連であった。新内....
「西航日録」より 著者:井上円了
ーの丘上にありて、当地第一の位置を占む。校長の宅はその校内にありて、教場および寄
宿舎とその棟を同じくす。ゆえに余のここにあるや、朝夕親しく授業および寄宿の状態を....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
屋数棟連立し、その棟下に墳墓を設くるはまた奇観なり。あたかも兵営もしくは学校の寄
宿舎を見るがごとし。しかして屋外は百卉千花を栽培し、宛然小植物園たり。午時、電車....