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宿願
「宿願〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宿願の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
で善三郎に会いたかったのである。彼はオランダ文字を読もうという自分のかねてからの
宿願を述べて、その志願の可能不可能を、善三郎にただしてみたかったのである。 そ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人は奥州の或る城下の町に穀屋の店を持っている千倉屋伝兵衛という者であった。年来の
宿願であった金毘羅まいりを思い立って、娘のおげんと下男の儀平をつれて、奥州から四....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
男、その男が遂《つい》に何ものでもなかったとしたら……。 彼にとって、文学への
宿願は少年の頃から根ざしてはいた。が、非力で薄弱な彼には、まだ、この頃になっても....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
認識され得るものであるから。 こうして長い経過の結果、今度始めて、漸く僕の多年
宿願した著述『詩の原理』が、この九月にアルスから出版されることになった。この書物....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、やがてまた茫々として、前後を忘れる。 「抑々《そもそも》当流ノ元祖戸田清玄ハ
宿願コレ有ルニヨツテ、加賀国白山権現ニ一七日ノ間、毎夜|参籠《さんろう》致ス所、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れて、そこで二人の会見となり、ついにこの盲法師のために義侠心を発して、その多年の
宿願であるところの、竹生島詣での舟を出してやったのはいいが、思いもかけぬ無人島に....
「小翠」より 著者:田中貢太郎
、五年の夙分がありましたから、母が私をよこして、御恩返しをしたのです。もう私達の
宿願は達しました。私がこれまで罵られ、はずかしめられてもいかなかったのは、五年の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
月の二十日過ぎに兵部卿の宮は大和の初瀬寺へ参詣をあそばされることになった。古い御
宿願には相違ないが、中に宇治という土地があることからこれが今度実現するに及んだも....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
尚はそれによって一向に救われなかった。 結論として云えば、吾吉の亡魂がかねての
宿願を果してソノ子を坊主頭にしたという一つの成就があるだけであった。 髪の毛は....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
前は巨万の金をこしらえていたのだ。 七 おれの目的、同時にお前の
宿願はこうして遂に達せられたわけだが、さて、お前は巨万の金をかかえてどうするかと....
「鮎の試食時代」より 著者:北大路魯山人
に憧れるだけだった。 ところが、三十歳くらいのころ、京都に帰省した時、ようやく
宿願を達成することができた。あゆを食うくらいはなんとか都合がついたからであり、か....
「妻」より 著者:神西清
静かな生活をして、社会問題の研究に従いたいからであった。それは私の久しい前からの
宿願であった。ところが今では静安とも研究とも別れ、一さいを放擲して、ただ百姓たち....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
らせたものじゃった。……いちどは都も見せておきたい、という親心と、和殿のたってな
宿願でな」 「はい」 「で。犬の沙汰などは些事とするも、万が一、さる密か事が公と....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
るおした訳だ。――いわれてみると、俺ア、いつの間にか立派な大盗になっていたんだ。
宿願の義賊ともいわれ、世間にも、ちッたあ、有名になったらしい」 満足だった。雲....
「食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
切に感ずる次第であります。また、これをなんとか向上させて行きたいというのが、私の
宿願でもあります。 以上、たいへん大ざっぱな話をいたしましたが、このことはなに....