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「寄せ手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寄せ手の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
痛の体。向うより春彦走り出づ。) かえで おお、春彦どの。待ちかねました。 春彦寄せ手は鎌倉の北条方、しかも夜討ちの相談を、測らず木かげで立聴きして、その由を御....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
たなかったそうですね。なんでも、長防の連中は農兵までが残らず西洋の新式な兵器で、寄せ手のものはポンポン撃たれてしまったと言うじゃありませんか。あのミニエール銃と....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
するのが小さく俯瞰《ふかん》される。彼方は蜒々《えんえん》雲に溶け入る抗愛山脈。寄せ手の軍馬の蹄が砂漠の砂を捲き上げ、紅塵万丈として天日昏し。 真っ赤な空の下、....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
仕ない。……」 磯は黙って煙草をふかしていたが、煙管をポンと強く打いて、膳を引寄せ手盛で飯を食い初めた。ただ白湯を打かけてザクザク流し込むのだが、それが如何に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
陸とを通じて総勢六十万騎……しかれども小田原城中少しも屈せず、用心きびしく構えて寄せ手を相待つ。そもそも当城は北条五代の先祖早雲入道これを築き、そののち氏綱再粧....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
かと思われて、今でも残念である。 この幕府の長防再征は、元々騎虎の勢いなので、寄せ手の兵はいずれの口もさほど士気が振っていなかったのだから、芸州《げいしゅう》....
鎮西八郎」より 著者:楠山正雄
えって、自分の居間にはいると、しずかに切腹して死んでしまいました。 そのあとで寄せ手は、こわごわ島に上がって見て、為朝が一人でりっぱに死んでいるのを見てまたびっくりしました。....
丹下左膳」より 著者:林不忘
下左膳、白日下の独擅場《どくせんじょう》に武技入神の域を展開しはじめた。 が、寄せ手の数は多い。 蟻群の甘きにつくがごとく、投網《とあみ》の口をしめるように....
文づかい」より 著者:森鴎外
りぬ。この人とわが交わりそめしは、まだ久しからぬほどなれど、よき性とおもわれぬ。寄せ手丘の下まで進みて、きょうの演習おわり、例の審判も果つるほどに、われはメエル....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
の底の割れる日が来たのである。 井底の乱闘は、乾分の掏摸などにまかせておいて、寄せ手のおもだった人たちは、奥の垂幕からかけ上がって、突如として白い袋を襲った。....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
は、城のお壕に溢れ、屍は山と積む激戦を演じたけれど、勝敗は遂に決しない。そこで、寄せ手の方では城を焼き払う方略を立て、毎夜城下の街へ火を放して気勢をあげたのであ....
頼朝の最後」より 著者:田中貢太郎
が押し寄せた。その時六郎の家には主従十五人しかいなかった。六郎はその家来を率いて寄せ手と渡りあったが、またたく間に討たれて枕を並べて死んだ。 武蔵の領地にいた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
さぐり合いの対峙が二、三日つづく。 昼は、鳥の音も絶え、夜となれば、二万ぢかい寄せ手の布陣が、笠置の砦を二里余にわたって包囲している“火の図”となって、描き出....