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寄越す
「寄越す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寄越すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
れは確かなことなんだ。もし敬二郎の奴を好きなのなら、今度だっておれのほうさ電報を
寄越すわけはねえからなあ」 正勝は上半身をぐっと後ろに引くようにして、炉の火の....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
もないよ。僕の崇拝者でもないくせに、なぜ僕宛に“あなたの崇拝者より”なんて書いて
寄越すんだい」 「あたくしは、あなた様も大いに崇拝いたしておりますわ」 「えっ、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
れるというのでここを「もくもく」と云い、京洛の茶人はわざわざ自動車で水を汲ませに
寄越す。情死するため投身した男女があったが、どうしても浮き上って死ねなかったとい....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
紙の送先の写真館ですね、あれが発覚しそうになって来たので、近々又格別の所を云って
寄越す事になっているのです」 「本郷の方はどうなったのですか」 「私が少し失敗っ....
「火星探険」より 著者:海野十三
わせた。この数字は安全航跡を示すもので、例のテレビジョンが自動的に測ってしらせて
寄越すものであった。 それはよかったが、次の瞬間、艇ははげしく鳴り響き、そして....
「流線間諜」より 著者:海野十三
に限り、こんなに遅くなることはない。遅くなりそうだったら、途中から電話か使いかを
寄越す筈だった。それが何も云って寄越さないのだから不審だった。といって須永を探し....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ういやなものが搦んでさ、髻を掴んで、引きずって、火箸で打たれました、などと手紙を
寄越す、田舎芝居の責場があるから。」 「いや、はや、どうも。いや、どうも。」 ....
「愛よ愛」より 著者:岡本かの子
。パリでは手を握り合ってシャリアピンに感心したこども。置いて日本へかえってからは
寄越す手紙ばかりを楽しみにして居るわたし達、冬の灯ともす頃はことさら巴里の画室で....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
あ不可ねえか、ここにゃ持っていねえんだが、可かったらつけてくんねえ。後で持たして
寄越すぜ。」 と真顔でいう、言葉つき、顔形、目の中をじっと見ながら、 「そんな....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
言わなかった。ただ涙含ましい空気が漂った。 「ほんでは父、俺、毎月五円ずつ送って
寄越すから。――毎月五円ずつ。」と言って市平は、顔の火照るのを覚えた。 「そうが....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
ややあって、大声で右手に叫ぶ)爺!……葵祭の日にまた参るぞ!……葵祭の日に迎えを
寄越すぞ! 大伴ノ御行、土間の外に立っている二人を突き飛ばさんばかりの勢いで、倉....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
友染の膝を乱して、繕いもなくはらりと折敷き、片手が踏み抜いた下駄一ツ前壺を押して
寄越すと、扶け起すつもりであろう、片手が薄色の手巾ごと、ひらめいて芬と薫って、優....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
方々々と間違でも人に謂われる奴が、汝が使ってる者がこんな怪我をしてるのに、医者に
寄越すッて、ないら病の猫を押放したような工合は何たる処置だい、姉さんをつけて寄越....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
かったのかも知れない。考えて見ればいくら叔母だって、わざわざ伊予紋まで鏡を持して
寄越すってことは容易でない。それを持して寄越したのも何かの前兆、私が受取らないで....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たがまあよく帰って来られた。とにかく南条文雄博士が大変に心配して、私の方へ手紙を
寄越すたびに、あなたの事について何か聞いた事がないかというて尋ねて来られた。まず....