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「密勅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

密勅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
朝廷へ奏問に及んだのである。 いずくんぞ知らん、その日は薩長二藩に対し、討幕の密勅が、下された日である。 即ち薩長や岩倉|具視の肚では武力を以て圧倒しようと....
運命」より 著者:幸田露伴
気脈を通ぜしめ、北平|都指揮張信というものゝ、燕王の信任するところとなるを利し、密勅を下して、急に燕王を執えしむ。信は命を受けて憂懼為すところを知らず、情誼を思....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
復古を急いで国家の革新を改行しようとする岩倉公以下の人たちがあり、一方には天皇の密勅を奏請して大事を挙げようとする会津藩主以下の人たちがある。飽くまで公武一和を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
した地方もめずらしいと言われる。しかし、信州|伊那の谷あたりだけでも、過ぐる年の密勅事件に関係して自ら毒薬を仰いだもの、元治年代の長州志士らと運命を共にしたもの....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
僧として、公卿と武家との仲を斡旋したり、禁裡様から水戸藩へ下されましたところの、密勅の写しを手に入れて、吉之助様のお手へお渡しになったりして、国事にご奔走なさい....
尊攘戦略史」より 著者:服部之総
政五年正月)となり、ついで条約不許可勅令(三月)、さらに八月八日の水藩以下への「密勅」となった。すでに密勅そのものの範囲が水戸継嗣ブロック以上に出て雄藩おしなべ....
三国志」より 著者:吉川英治
いっても、曹家は名門である。嫡子の曹操もまた出色の才人と、遠近に聞えている。 「密勅をうけて降ったものである――」 という曹操の声に、まず近村の壮丁や不遇な郷....
私本太平記」より 著者:吉川英治
正月風景にしろ、そんな兆しは、上下どこにも見られはしない。すでに一部の若公卿は、密勅を帯びて、諸州を潜行しているほどにまで、事はすすんでいると、道誉や左近らは説....
私本太平記」より 著者:吉川英治
寺――この地方四大社寺へたいしても、一朝のさいには、王事に協力あるべしと、懇諭の密勅がくだされることになったという。 「その密使として、これから高野をはじめ、諸....
私本太平記」より 著者:吉川英治
し、あきらかに、戦備のようだという物見の知らせ。……どうやら、さきに諸州へ発した密勅が漏れたか、持明院統のまたぞろな密告か」 「そ、それや、こうしてはおられん、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
魄の武士だった。 しかし、こんな微力な山間の落魄武士へも、先には勤王の士を召す密勅は早くから廻っていた。なぜなら元々彼の家は、皇室領のいわゆる“御領の武士”だ....