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「密度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

密度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:梶井基次郎
「旅情を感じないか」と言って見た。殻斗科《かくとか》の花や青葉の匂いに満された密度の濃い空気が、しばらく自分達を包んだ。――その日から自分はまた、その日の獲物....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ス状のものの中を通っていると考えることは不可能であると思われた。のみならず空気の密度が高きに登るほど急激に減ずるということが気圧計の観測によって証明されたのであ....
階段」より 著者:海野十三
どは想像もできないほどまんまるく肉がついていた。その色は牛乳を凍らしてみたほどの密度のある白さだった。そのきめの細い皮膚は、魚のようにねっとりとした艶とピチピチ....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
の薄穢い泡の群が、夥しく漂っている。そしてそれが、入江の奥へ行くに従ってどんどん密度を増し、とうとう一面の泡の海と化して来た。 「この辺へ着けよう」 東屋氏の....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
某日。――麻川氏と私とは、体格、容貌、性質の或部分等は、全く反対だが、神経の密度や趣味、好尚等随分よく似た部分もある。氏も、それを感じて居るのか、いわゆるな....
河明り」より 著者:岡本かの子
すべてが噎るようである。また漲るようである。ここで蒼穹は高い空間ではなく、色彩と密度と重量をもって、すぐ皮膚に圧触して来る濃い液体である。叢林は大地を肉体として....
怪星ガン」より 著者:海野十三
」 「地球人の生命はもろい。わたしたちにはたえられる熱にも電気にも、光りにも空気密度にも、地球人の体質ではたえられない。お気の毒でなりません」ハイロは、さっきか....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
ら、余に早く見せてくれ」 「醤委員長よ。今度こそすばらしいものが出来ますぞ。瓦斯密度が一・六〇〇〇四です。理想的な密度です。おどろいたでしょう」 「一・六〇〇〇....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
い。どれも、おなじくらいな空を通るんだがね、計り知られないその大群は、層を厚く、密度を濃かにしたのじゃなくって、薄く透通る。その一つ一つの薄い羽のようにさ。 ....
科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
人通りに物珍らしさを感じたのであった。歩いて行くに従って路の上に含有される人間の密度が多くなって来たが、それは益々増える一方で、軈てのこと科学者は人間の群から圧....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
らずだ」喬介が云った。「つまりひとつの空気反射だね。温度の相違などに依って空気の密度が局部的に変った場合、光線が彎曲して思いがけない異常な方向に物の像を見る事が....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
にのせる脚本となると、興が乗ってひと息に書くのはいいとして、それでも、ある一定の密度と、とくに、十分な「練度」というものが要求されます。それも、耳で聴いて、わか....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
観客数の違いもあり、また、舞台の大きさ、広さの比較の問題もある。上演される戯曲の密度とその普遍性、俳優の演技の幅、装置や効果の工夫にまで、その関係は直接に響いて....
明暗」より 著者:岡本かの子
熱情と共に目醒めさせたものであろうか。しかも、三木雄の智性や熱情は如何にも品格と密度を備えていた。智子の最初の片輪に対する同情は追い追い三木雄への尊敬と変り、三....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
想を生んだのはこの時代的要求の結果である。 国民皆兵の徹底が兵力を増大し、人口密度大なる欧州の諸国家では国軍をもって全国境を守備するに足る兵員を得るようになり....