密画[語句情報] »
密画
「密画〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
密画の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ントン博物館の嘱託に依ってペレスフォード卿(?)が買うて来た道教諸神の像を竹紙へ
密画極彩色にしたのを夥しく調べたが、竜と虎を神にしたのが甚だ多かった。『山海経』....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
りぐたりと倒れた。
気がつくと、瑜伽《ナル・ヨル》、秘密修験《サン・ナク》の大
密画のある、うつくしい部屋に臥《ね》かされていた。黄色い絹の天蓋に、和※《ホータ....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
子供の時そういうものを眺めた苦悩とも甘美とも分ちがたい感覚がすぐそこにあり、何か
密画風の世界と、それをとりまく広漠たる夢魔が入り混っていた。それは彼の午睡のなか....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
に絵巻物を左の方へ開いて行った。
それから順々に白紙の上に現われて来た極彩色の
密画を、ただ、真に迫っているという以外に何等の誇張も加えないで説明すると、それは....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
地方にまでも絵を売りに行って相当有名になっておりましたが、その中でも古い錦絵の秘
密画とか、無残絵とか、アブナ絵とかを複写するのが上手で、大正の八九年頃には相当の....
「流線間諜」より 著者:海野十三
ら何ということだろう、竪横五メートルほどの大壁画が現れたがそれは毒々しい極彩色の
密画で、画面には百花というか千花というか凡そありとあらゆる美しい花がべた一面に描....
「源氏物語」より 著者:紫式部
だといわれる千枝《ちえだ》とか、常則《つねのり》とかいう連中を呼び寄せて、ここを
密画に描かせたい」 とも人々は言っていた。美しい源氏と暮らしていることを無上の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
有力な天然磁石とが発見された。 一つの抽斗からは、金ぶちの肖像画があらわれた。
密画に描いたもので、おそらく多年ここにあったと思われるにもかかわらず、その色彩は....
「けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
られ、引き裂かれ、又は猛獣の餌食にあたえられて行く凄愴、陰惨を極めた場面の極彩色
密画であった。その一枚一枚|毎に息苦しくなってゆくような……それでいて次の頁を開....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ちに、おりおり稽古をつけてやっている。鉄庵と号して画も描く。四君子のほかに、鹿の
密画が得意である。 俊亮は、運平老の気持をはかりかねて、用心ぶかくその顔色をう....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
のでした。 狭い床でしたけれど、そこには時々変った幅が懸けられます。奥原晴湖の
密画の懸けてあったこともあります。晴湖は明治の初めに東京に出て、下谷に住んで、南....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
うも断わりきれなくなりまして、まあそれだけ一つと描き始めます。 私の画は、元来
密画ですから、どんな小さいものでも、一気にサッと描けるものはありません。構想を練....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
げに大口を開けて尻尾を振上げた虎に老人が乗り、若者がひいている図で、色彩の美しい
密画であった。 「がこれだってなかなか立派なもんじゃないか。東京の鑑定家なんてい....
「九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
で、よく寒山拾得《かんざんじっとく》のような人物や山水《さんすい》などが、達筆に
密画でなく描かれていた。呉須は非常にむつかしいのだそうで、これで当時一家をなして....