»
富み
「富み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
富みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
孝子伝吉物語」は下《しも》のように話を結んでいる。――
「伝吉はその後《のち》家
富み栄え、楽しい晩年を送りました。積善《せきぜん》の家に余慶《よけい》ありとは誠....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
えることによって二倍する、その不思議を知らないのか。愛を与えるものは与えるが故に
富み、愛を受けるものは受けるが故に富む。地球が古いほど古いこの真理をお前は今まで....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
、就中ベンガルは最も古い創立で、他の亜細亜協会の雑誌よりもヨリ多く重要なる論文に
富み、東洋殊に印度学の研究の大宝庫として貴重されておる。其価は金一千二百円で、雑....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
うと思われる。予の考うるところでは、多分そのルナ・アミーバーは身体を耐熱耐圧性に
富み、その上、伸縮自在の特殊材料でもって外皮を作り、その中に流動性の身体を安全に....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
なかりき。 朝より夕に至るまで、腕車、地車など一輌も過ぎるはあらず。美しき妾、
富みたる寡婦、おとなしき女の童など、夢おだやかに日を送りぬ。 日は春日山の巓よ....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
るものを我久保田万太郎君と為す。少くとも「のて」の臭味を帯びず、「まち」の特色に
富みたるものを我久保田万太郎君と為す。 江戸っ児はあきらめに住するものなり。既....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
を着た月給取りは美しいというのか。そして、貧しい勤労者の生活を描くことは恥辱で、
富みてひま多き人種を描くことは光栄なのか。世界のどこに貧者のおらぬ国があろう。世....
「妖怪学」より 著者:井上円了
信仰強きものまたは婦女子のごときものありてこれに加わるときはその回転を見、知識に
富み信仰力薄きものは、なにほど試むるも、これをしてその回転を示さしむることあたわ....
「迷信解」より 著者:井上円了
含んでおるから、臨機応変の解釈を付けることができる。それゆえに、筮者の方が経験に
富み、識見に長ずる人ならば、その判断のあたる割合が多くなるわけじゃ。よって、たと....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
支配するの知覚を失せざるをもって、不覚筋動を現ずるに至るべき理なし。これ、知力に
富みたる者および虚心平気の者には、コックリの回転を見ることなきゆえんなり。婦人に....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ター種の深い長い艶々した天鵞絨よりも美くしい毛並と、性質が怜悧で敏捷こく、勇気に
富みながら平生は沈着いて鷹揚である咄をして、一匹仔犬を世話をしようかというと、苦....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
本的の文明となさざるべからず。例えば、北米合衆国は共和政治にして、その国いたって
富み、その文明いたって盛んなりといえども、決してただちにその風をわが国に適用すべ....
「西航日録」より 著者:井上円了
だけにても、一カ月二千五百ポンド(わが二万五千円)に上るという。一村これがために
富み、かつにぎわい、やや一都府のごとき盛況あり。この地をさること二、三マイルにし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、直立三千尺以上のウェリントン山の麓にありて、丘陵にまたがり、海湾を抱き、風色に
富みたる良港なり。湾形はシドニーを小規模にしたるものにして、わが長崎港に類似す。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
神的躱避が大きいため単独射撃は一斉射撃に及ばぬものとしていた。 縦隊は運動性に
富みかつ衝突力が大きいためこれを利用しようとの考えあり、現に七年戦争でも使用せら....