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富士見
「富士見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
富士見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ら新大橋までの間に、もとは五つの渡しがあった。その中で、駒形《こまかた》の渡し、
富士見の渡し、安宅《あたか》の渡しの三つは、しだいに一つずつ、いつとなくすたれて....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
人の孫太夫は、奉公人たちの酒宴の興を妨げぬ心遣いからであろう。日が暮れると、九段
富士見町の縁類へ、年始のためだといって、出かけて行った。 家老や用人たちは、表....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
床の間にしっとりと露を被いだ矢車の花は、燈の明を余所に、暖か過ぎて障子を透した、
富士見町あたりの大空の星の光を宿して、美しく活っている。 見よ、河野が座を、斜....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
が、五つの春から、僕も幼稚園に行くようになった。そして毎日お米さんと手をひいて、
富士見小学校へ通った。 しかし、その幼稚園がはたして
富士見小学校附属のであった....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
野犬が巣を作っていて、しばしば往来の人を咬んだ。追剥ぎも出た。明治二十四年二月、
富士見町の玉子屋の小僧が懸け取りに行った帰りに、ここで二人の賊に絞め殺された事件....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
府で聞いた物語、夢のような話だが、根のねえことでもなさそうだ。甲斐と信濃の国境、
富士見高原のどん詰り、八ヶ岳の渓谷に、極楽浄土があるそうだ。僧院があるということ....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
うちは麹町の何番町かにあった。僕はその近衛連隊の門の様子と、うちの大体の様子と、
富士見小学校附属の幼稚園の大体の輪画とのほかには、ほとんど何の記憶もない。 僕....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
真のかい、おい。」 「違わあ。へッ、違いますでござんやすだ。こりゃあ、雷神坂上の
富士見の台の差配のお嬢さんに惚れやあがってね。」 「ああ、あの別嬪さんの。」 「....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
笠が間近くその鼻を撞かんとしたからである。 「ところで、立向って赴く会場が河岸の
富士見楼で、それ、よくこの頃新聞にかくではないか、紅裙さ。給仕の紅裙が飯田町だろ....
「紫外線」より 著者:小酒井不木
その村田という書生は、誰の紹介でお雇いになりましたか」 と尋ねました。 「麹町
富士見町の木村先生の紹介です」 「木村先生とおっしゃると、あの有名な医学博士の木....
「三崎町の原」より 著者:岡本綺堂
犬が巣を作っていて、しばしば往来の人を咬んだ。追い剥ぎも出た。明治二十四年二月、
富士見町の玉子屋の小僧が懸取りに行った帰りに、ここで二人の賊に絞め殺された事件な....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
は赤城根村の中に含まれて、利根郡に編入されているが、もとは北勢多郡の村であった。
富士見十三州輿地全図には果して根利村(本図には誤って利根となっている)の東北隅利....
「西航日録」より 著者:井上円了
とに美なり。ただ雲煙深くとざし、峰頂を望むことを得ざりしは遺憾なり。 スノードン
富士見し人に恥かしく思ひけるにや姿かくせり また一日、ベセスダ(Bethesd....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
た町の子達と別れる時、よく私達は歌のように節をつけて、こういった。 私は麹町の
富士見町で育った。芝といえば――金杉といえば――大変遠いところのような気がした。....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
を脅すのは「伊達様」の見えなかったことばかりではない。僕は確かこの近所にあった「
富士見の渡し」を思い出した。が、渡し場らしい小屋はどこにも見えない。僕は丁度道端....