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「富有〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

富有の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いよ援蒋ルート遮断の日も近いと、ひそかに故国の神へ折竹は感謝した。 これには、富有なケルミッシュが全資産を注ぎこみ、いよいよ準備成った翌年の三月、蜿蜒《えんえ....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
に非常な危惧《きぐ》を感じている。またすべての青年の権利たる教育がその一部分――富有《ふゆう》なる父兄をもった一部分だけの特権となり、さらにそれが無法なる試験制....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いえ、誰が十二分の信頼をこの男にかけようか。まったく、こうした場所に出入りをする富有階級の人間が、怪しさ半分欲半分で、まずこの程度ならばフイにしてもというのが、....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に限られた私有財産ではなくなって普通の人民階級中にも広がっていた。ただしそれは最富有な階級の間だけに限られてはいたのである。ローマとギリシアの国家の隆盛期には奴....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
翼を休めて、廂にも居たり。物干場の棹にも居たり。棟にも居たり。みな表町なる大通の富有の家に飼われしなりき。夕越くれば一斉に塒に帰る。やや人足繁く、戸外を往来うが....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
さえも、鳥渡見だけだと、何処からか花鋏の音でも聴えて来そうであって……、如何さま富有な植木屋が朝顔作りとしか、思われない。 その日は三月三日――いやに底冷えが....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
れづれ話に、うっかり私は、本名を明かしてしまったのです。すると、そばにおりました富有そうな老人が、やにわに私の腕をつかんで、別室に引き入れました。その老人が、以....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
宜があったにもかかわらず、かつて一度も書画会を開いた事がなかった。 尤も椿岳は富有の商家の旦那であって、画師の名を売る必要はなかったのだ。が、その頃に限らず富....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
ている地方もあるらしいが、つまりは或る卑賤な炭焼の下司男が、黄金を発見して俄かに富有になったという同一筋の出世譚で、それが各地方の長者譚にからみあって、いろいろ....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
地諸国に移住させます。本来の目的は、これを農民と為すにありまして、中には成功して富有なものになり、飢饉の際に多くの穀物を義捐して窮民を救い、位階を授けられたとい....
夕暮の窓より」より 著者:小川未明
を感じ、心に味い得た人は、やはり、其処に生きているだけの果いがあるのだ、いくら、富有な境遇に在ても夢のような生活を送っている人もある。 人生の生活というものは....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
れ、また別に独占の工業を有して、安楽なる生活を送っておったのである。古代のエタに富有者が多かったとの事は、別項「特殊部落と細民部落・密集部落」の中に説いておいた....
特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
明治四十年に於いて当時の京都府事務官補大森吉五郎氏の調査によるに、維新前にはなお富有者が多く、衣食に窮するが如きものは殆どなかったが、維新の改変は武士階級の廃絶....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
じて五十余通に及んでいる。かくしてその家はほとんど近郷の捨場の権利を独占し、代々富有なる生活をしていたのであったが、最後の文書である明治四年の四月に二両三分三朱....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
りがあって、宿の者を煩わすことがことに多いので、盆暮に二百文ずつを与える。或いは富有の者からは、祝儀不祝儀の際に、二百文ずつを与える。また宿の者が罪人を捕えた場....