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寒山
「寒山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
が》めても、うそ寒い秋の気が動いていないところはない。
馬琴の眼は、この淡彩の
寒山拾得《かんざんじっとく》に落ちると、次第にやさしい潤いを帯びて輝き出した。
....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ちやま》へひょっこり出る。屋根附の中風薬の金看板なぞ見える小さな町だが、今までの
寒山枯木に対して、血の通う人間に逢う歓びは覚える。 風が鳴っている三上山の麓《....
「観画談」より 著者:幸田露伴
販の人、種※小さな笠を冠って、やや仰いでいる様子は何ともいえない無邪気なもので、
寒山か拾得の叔父さんにでも当る者に無学文盲のこの男があったのではあるまいかと思わ....
「運命」より 著者:幸田露伴
り、 誰か来りて 可否を問はん。 盤旋す 草※の間に、 樵牧 日に相叩く。 嘯詠
寒山に擬し、 惟 道を以て自負す。 忍びざりき 強ひて塗抹して、 乞媚びて 里婦....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
けて、純綿の紐を通した頸飾りであった。醤は、このからからんという音を聞くたびに、
寒山寺のさわやかなる秋の夕暮を想い出すそうである。――なにしろ、ここは、人跡まれ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
に法花経を誦し、手に金剛の印を結んで、端然として入滅したということである。布袋や
寒山の類を散聖というが、増賀も平安期の散聖とも云うべきか。いや、其様な評頌などは....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
、胸のいたみをおさえて立留る、早瀬ハッと向合う。両方おもてを見合わす。 ※|実に
寒山のかなしみも、かくやとばかりふる雪に、積る…… 幕外へ。 ※思いぞ残しける。....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
(巻十八・四〇九四)の例がある。 恋愛の歌は若い男女のあいだの独占で、それゆえ
寒山詩にも、老翁娶、両両相憐態、とあるのだが、万葉には稀にこういう老人の恋の歌も....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ていたのだ。間もなく座敷牢の中に入れて置かねばならなくなった。伯父さんは詩人肌の
寒山拾得のような風貌の人だったが、これも監視をつけねばならなくなった。しかし私は....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
がら、温突から温突へと放浪した。 しかし、空拳と無芸では更に成すべき術もなく、
寒山日暮れてなお遠く、徒らに五里霧中に迷い尽した挙句、実姉が大邱に在るを倖い、こ....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
ているであろうか。 六 碓氷の峠路から眺める重なり合った峯と谷はまだ
寒山落木の姿であった。だが、東に向いた陽当たりの雪のない山肌には、波のようにやわ....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
うのではない。 汽車は大きくて、中がゆったりとして乗心持もよかった。 蘇州の
寒山寺は別していい寺というほどのこともないが、この寺の向こうには有名な楓橋があっ....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
。御池に行くようになって暫くしてからのことですが、ある時、尺八か尺五かの水墨の「
寒山拾得」が枠張のまま立て掛けてありました。古画のようでそれで何処となく独創的な....
「中支遊記」より 著者:上村松園
の案内賃を請求しているのである。私達は笑いながら銭をつかませてやった。 蘇州の
寒山寺、獅子林、明孝陵。鎮江金山寺、杭州の浄慈寺、それに前に書いた平仙寺、雲林寺....
「栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
のどす。その時分に何だかの寄付画であったと思いますが、尺八位の絹地に栖鳳先生が〈
寒山拾得〉を描かれましたが、それを見て大そう感心しました。古画より生気溌剌として....