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「寒帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寒帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
ンク色に変化させる。 もっともこう言った雪の美しさだけなら、何も高山に限らず、寒帯地方で、もっと大規模に見られるかも知らぬが、高山特得ともいうべきは、空の濃碧....
」より 著者:夏目漱石
暖かい紡績織《ぼうせきおり》を掛けて貰って、帯をぐるぐる巻きつけたが、 「ここは寒帯だから炬燵でも置かなくっちゃ凌《しの》げない」と云った。小六の部屋になった六....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
んな莫迦《ばか》げた耐圧力を持った砕氷船なんか作りやしないよ」 と、ドレゴが、寒帯住人らしい自信を持っていい切った。が、ホーテンスが、別の見解を陳《の》べた。....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
い性格をもっている。 清水氏は 『日本真体制論』に次の如く述べている。 「……寒帯文明が世界を支配はしたけれども、決して寒帯民族そのものも真の幸福が得られなか....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
君、一七五三年にベーリング島の附近で、海牛の最後の種類が屠殺されたんだ。だがあの寒帯植物は、すでにそれ以前に死滅しているんだぜ。やはり、あの弩の弦は、いっこう変....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
関門とも言うべきところに――巨大な氷柱の群立するさまを想像してみたまえ。それから寒帯の地方と気候を同じくするという軽井沢附近の落葉松林に俗に「ナゴ」と称えるもの....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
や、藪肉桂などの常緑|濶葉樹が繁茂する暖地から、山頂近くチズゴケやハナゴケなど、寒帯の子供なる苔類が、こびりつく地衣帯に至るまでの間は、登山路として最も興味ある....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
候である。現在の日本はカラフト国境から台湾まで連なる島環の上にあって亜熱帯から亜寒帯に近いあらゆる気候風土を包含している。しかしそれはごく近代のことであって、日....
地軸作戦」より 著者:海野十三
附近は一年中が氷雪に閉じこめられている。シベリア一帯などもかなり極地的であって、寒帯と呼ばれる地域が大部分を占めている。さてこそ、やむなくそこへ逃げこんで一命を....
大空魔艦」より 著者:海野十三
かりであった。 もしそのとき丁坊が、いま窓から下に見える土地が北極にごくちかい寒帯地方だと知ったらどんなにおどろくだろう。 いや、そんなことにおどろかなくて....
流線間諜」より 著者:海野十三
海水を堰きとめると、そこから南の地方が暖流のために、俄かに温くなるのだ。いままで寒帯だった地方が温帯に化けるのだ。そこで俄然その宏大な地方を根拠地として某国の活....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
風土の、従って人間の受容的、忍従的な存在の仕方の二重性の上にここには更に熱帯的、寒帯的、季節的、突発的という如き特殊な二重性格が加わってくるのである」と。 ま....
巴里の秋」より 著者:岡本かの子
ながら、 ――は、いらはい、いらはい、早いこと! 早いこと! アイスクリームの寒帯から早く焼栗屋の熱帯へ……は、いらはい、いらはい。 空には今日も浮雲が四抹....
海豹島」より 著者:久生十蘭
行って見ると、夏になれば、ししうばや、岩菊や、薄赤い雪罌粟などのわずかばかりの亜寒帯植物が、つつましい花を咲かせる優しげな岩隙も、いまはいちめんに氷と雪にとざさ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
小舟を浮かべて釣魚をなすもの、わが船客と互いに呼応して過ぐ。当夕七時半、まさしく寒帯に入る。ときに発砲してこれを報ず。太陽は六時、七時の間は西方にあり、これより....