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「寒梅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寒梅の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
へ行くのにかこつけて、座をはずして来た大石内蔵助は、独り縁側の柱によりかかって、寒梅の老木が、古庭の苔《こけ》と石との間に、的※《てきれき》たる花をつけたのを眺....
老年」より 著者:芥川竜之介
が所々に丸い影を神代杉《じんだいすぎ》の天井にうつしている。うす暗い床の間には、寒梅と水仙とが古銅の瓶にしおらしく投げ入れてあった。軸は太祇《たいぎ》の筆であろ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
かい刷毛でその葉を洗うのであった。牡丹は、盛装した美しい侍女が水を与うべきもの、寒梅は青い顔をしてほっそりとした修道僧が水をやるべきものと書いた本がある。日本で....
元禄十三年」より 著者:林不忘
こにでもあって、石も、木も、庭ぜんたいが幸福そうにあたためられていた。 小さな寒梅《かんばい》の鉢植を、自分で地に根下ろして、岡部美濃守は、手を土だらけにして....
蠱惑」より 著者:豊島与志雄
ーブル》があり、左手の奥に円いのと四角いのと二つの小さい卓子が並んでいる。蘇鉄と寒梅と松との鉢植がそれらの上に置かれている。右手が勘定台《カウンター》で、その上....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
子へ手をかけた。部屋にこもっている煤煙が、ムーッと軒へ吸いだされて、入れ代りに、寒梅の香をふくむ冷やかな夜気がそこへ浸ってくる。 「ただ今、御院代のお手元へ、こ....
三国志」より 著者:吉川英治
まとい、酒をいれた葫蘆を、お供の童子に持たせてくる。 籬の角から渓へのぞんで、寒梅の一枝が開きかけていた。 老翁はそれを仰ぐと、興をもよおしたらしく、声を発....