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「寔に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寔にの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
得ぬので、N大尉は一部隊を以てこれを駆逐せしめた。当時、急迫の場合の措置として、寔に、止むを得なんだのである。云々」と弁じている事件である。 約三十分の後、兵....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
なに東北地方が好きか?)と申されますと、これは理窟ではなく感情なのでありますから寔に困るのでありますが、私は何故か、優秀な文芸作品から受けると同じような、熱情的....
怪談牡丹灯籠」より 著者:鈴木行三
感じてほと/\真の事とも想われ仮作ものとは思わずかし是はた文の妙なるに因る歟然り寔に其の文の巧妙なるには因ると雖も彼の圓朝の叟の如きはもと文壇の人にあらねば操觚....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
元々協調すべき農村と都市、農業と商工業とが互いに対立抗争するに至りますることは、寔に遺憾に堪えないのであります。」 日本商工会議所はいうまでもなく、日本の大商....
陳情書」より 著者:西尾正
た妻の情夫は、情夫と思われる人物は、――意外にも三村千代三ではありませんでした。寔に色の真白な女の如き優男ではありましたが、五尺三寸にも足らぬ小柄な華奢な肢体を....
「プラーゲ旋風」の話」より 著者:山下博章
等別段の規定なしとして、前示の如き判決を下すことは、勇敢と云えば勇敢であろうが、寔に危険千万ではある。 ベルヌ条約の第四条や第十五条では、著作者(Urhebe....
黒田如水」より 著者:吉川英治
国山脈の脊梁から吹いてくるそよ風が鬢の毛や、懐を弄って、一刻の午睡をむさぼるには寔に絶好な場所だった。 「これはいかん、だいぶ食われた。……蜂までがおれを寝かさ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いうのは、妙心寺の別称で、寺史古文書上では常用されている称だとある。 また、東寔については、妙心寺史に詳しいし、仏家人名辞書に載っている筈。ただし東寔で探した....
旗岡巡査」より 著者:吉川英治
一身の危急、つい前後を顧みている遑もなく、お船の内へ隠れ込んだ。――その上にも、寔に無理なお願いであるが、どうか拙者をこのまま匿って、霞ヶ|浦の常陸岸か、鹿島の....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
この一管の笛が差してあったのだという。 してみると、その笛は、彼女に取っては、寔に、将来、自分の血液のつながりを捜し求める唯一の手がかりでもあるし、また、こう....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
り飲んで騒ぐことを例としていたが、その顔ぶれとすこし違って、今夜の彼のお連れは、寔におとなしやかな人品だった。 そのお連れである近衛|信尹というのは、光広より....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たが、やがて一名の代表者が前へ出て、揉手をしながら、 「ええ、旦那え。エヘヘヘ、寔に申しかねますが、なにしろ裸商売、こちとらあまだ、朝飯も喰べておりません。夕方....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
汲む、何の誰それ。 だのといって、例の石垣坂の閉まっている門を無益に叩く者が、寔に踵を接して来るのである。 「どなたの御添書でお越しになろうと、宗祖は老年ゆえ....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
ように幔幕や幟に飾られて繋いである。 家光は、春の海を四望にして、宴を張った。寔に泰平の盛事である。やがて群臣の小舟をつらねて、浜御殿へ休憩に上がり、数寄屋で....