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寛ぎ
「寛ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寛ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
指の白さも、団扇の色の水浅葱も、酒気の無い、寂しい茶の間に涼し過ぎた。 民弥は
寛ぎもしないで、端然としながら、 「昨日は、お葬式が後れてね、すっかり焼香の済ん....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
しろあなた、この唐人船の騒ぎですもの。」 「こういう時世になって来たのかなあ。」
寛ぎの間と名づけてあるのは、一方はこの炉ばたにつづき、一方は広い仲の間につづいて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、ちょうど半蔵が王滝の方へ行っている留守の時だった。 吉左衛門は広い炉ばたから
寛ぎの間の方へ行って見た。そこは半蔵が清助を相手に庄屋本陣の事務を見る部屋にあて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
耳についています。」 その晩、お民は和助を早く寝かしつけて置いて、寿平次のいる
寛ぎの間におばあさんやお里とも集まった。娘お粂の縁談について、折り入ってその相談....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
半蔵夫婦の相談相手は、栄吉(半蔵の従兄)と清助とであった。例の囲炉裏ばたに続いた
寛ぎの間にはそれらの人たちが集まって、嫁女の同伴人はだれとだれ、供の男はだれにす....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ざって、碌にお茶台もありませんかわりには、がらんとして自然に片づいております。お
寛ぎ下さい。秋になりますると、これで町へ遠うございますかわりには、栗柿に事を欠き....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
亀姫、薄と女の童等、皆行く。五人の侍女と朱の盤あり。 桔梗 お先達、さあさあ、お
寛ぎなさいまし。 朱の盤 寛がいで何とする。やあ、えいとな。 萩 もし、面白いお....
「死者の書」より 著者:折口信夫
。 おお。 八つの声が答えて、彼等は訓練せられた所作のように、忽一度に、草の上に
寛ぎ、再杖を横えた。 これで大和も、河内との境じゃで、もう魂ごいの行もすんだ。今....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
の途次、渋茶を呑みに立寄って以来、婆や、家は窮屈で為方がねえ、と言っては、夜昼|
寛ぎに来るので、里の乳母のように心安くなった。ただ風変りな貴公子だとばかり思って....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
で、まだ煮切らない事を私が言うと、 (主人がお宿をいたします。お宅同様、どうぞお
寛ぎ下さいまし。) と先へ廻って、こう覗き込むようにして褥を直した。四畳半で、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
様には天津日継の大切な御用がおありになるので、めったに御夫婦揃ってこの竜宮界にお
寛ぎ遊ばすことはありませぬ。現に只今も命様には何かの御用を帯びて御出ましになられ....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
ようと云う元気さえ起らなかった。 が、やがて発車の笛が鳴った。私はかすかな心の
寛ぎを感じながら、後の窓枠へ頭をもたせて、眼の前の停車場がずるずると後ずさりを始....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
た。僅に十坪ぐらいの余地しか使えないのでは、花壇を拵えるにしても、趣きを出すには
寛ぎが足りなさ過ぎる。その上いけないことには、その地所は鍵の手に板塀で囲まれてい....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
奥日光、湯川と湯の湖の鱒釣りも渓流魚釣りの項に加えてよかろう。湯元の温泉に一夜を
寛ぎ、翌|黎明爽昧の湯の湖を右に見て、戦場ヶ原の坂の上に出て、中禅寺湖の方を展望....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ったかして、簡単に「皆さん、ありがとう。」と頭を下げてすました。そこで一同が急に
寛ぎ出した。笑い声が方々に起った。 それから歌会に移ったが、一方の壁に半紙一枚....