寛容[語句情報] » 寛容

「寛容〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寛容の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
が許されるとすれば、気の毒なくらい真率であった。従って、彼は彼等に対しても、終始寛容の態度を改めなかった。まして、復讐の事の成った今になって見れば、彼等に与う可....
或る女」より 著者:有島武郎
うるかを学びました。あなたによって世間でいう堕落とか罪悪とかいう者がどれほどまで寛容の余裕があるかを学びました。そうしてその寛容によって、寛容する人自身がどれほ....
私の父と母」より 著者:有島武郎
しば人の欺くところとなった苦い経験があるのとで、人に欺かれないために、人に対して寛容でない偏狭な所があった。これは境遇と性質とから来ているので、晩年にはおいおい....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
らず、これけだし余の親友京都便利堂主人がしいてこれを発刊せしゆえなるべし、読者の寛容を待つ。 明治三十年六月二十日 東京青山において 内村鑑三 再版に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の実に面白い書物の面白さの幾分をも伝え得ないであろうということを考えて切に読者の寛容を祈る次第である。 若干の訳述上の難点について、友人小宮豊隆君の示教を仰い....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
近代の人ではアンリー・ルッソーの画を座右にして居ます。元来氏は、他に対して非常な寛容を持って居る方です。それは、時に他をいい気にならしめる傾向にさえなるのではな....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
出来ない処だったの……裸体美人、) と云って花やかな笑顔になる。いかにも伸々と寛容して、串戯の一つも言えそうな、何の隔てもない様子だったが、私は何だか、悪い処....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
期の仕事を遂行せんと覚悟するに至ったのである。われ等としては、先ずつとめて愛と、寛容性とを、その人物に注入すべく心懸ける。すると右の人物は、ここに初めて平生の僻....
獄中消息」より 著者:大杉栄
た。これはまたたぶん臨時にというお恵みに与かったのだと思う。お上の掟にはまたこの寛容がある。ともかくこの一通の手紙で万事の詳しいことが分ったのではなはだありがた....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
』以来のニルアドミラリである。それを自己の性癖として絶えず抑えつけている。鴎外が寛容を示そうとしたのはそのためである。それにもかかわらず自己制圧の手の下から逸れ....
山吹」より 著者:泉鏡花
あとへ……あの、申訳はありませんが、おなじくと…… 画家 (微に眉を顰む。しかし寛容に)保養に来る場所ですから、そんな悪戯もいいでしょうな――失礼します。 夫人....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ょう。 千駄木へ帰ってから、師匠に鉄道馬車の監督の話をすると、気に入った。その寛容と深切に対しても、等閑に棄てては置けない、料金は翌日にも持参しなさい。で、二....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
少しも平時の沈着を喪わないで穏便に済まし、恩を仇で報ゆるに等しいYの不埒をさえも寛容して、諄々と訓誡した上に帰国の旅費まで恵み、あまつさえ自分に罪を犯した不義者....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
びとで、この手紙は終わっている。「そして再び、このような長い手紙に対する閣下の御寛容を願い上げつつ、またそのようにも無力な奉仕をはかなくも捧げることを、まごころ....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
思った。無論小説のうえの必要からだった。森山ならば私のこうした身勝手な要求をも、寛容に受け容れてくれるだろうと思った。だが、お互にしばらく文通も杜絶えていて、私....