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寝入る
「寝入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
。そうすると」
といって、ちょっといいよどんで見せて、
「十分か二十分ぐっすり
寝入るんですのよ……痛みも何も忘れてしまっていい心持ちに……。それから急に頭がか....
「ぶくぶく長々火の目小僧」より 著者:鈴木三重吉
って、おき上りました。じつはさっきから、上手《じょうず》に寝たふりをして、王子が
寝入るのをねらっていたのでした。 そしておき上るといきなり、ひょいと小さな鳩《....
「草枕」より 著者:夏目漱石
い棚を略して、普通の戸棚につづく。戸棚の中には何があるか分らない。 すやすやと
寝入る。夢に。 長良《ながら》の乙女《おとめ》が振袖を着て、青馬《あお》に乗っ....
「宝蔵の短刀」より 著者:田中貢太郎
と他に女があって、時どき先方へ往ったり、また女の方からも此方へ来て己《じぶん》の
寝入るのを待って、竊《ひそか》に庭あたりで媾曳《あいびき》しているかも判らないと....
「私の母」より 著者:堺利彦
来て私の寝床に入れて、蒲団の外から叩きつけるのであった。すると彼も往生して、私の
寝入るまで、ジットそこで我慢し、あとでソウット母の方に行くのであった。 母はま....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
いえ。夜中だよ。寒いから寝ておいで。(蒲団をかけてやる) 松若 そうかい。(また
寝入る) 二人沈黙。外を風の音が過ぎる。 左衛門 宵の出家の衆はどうしただろうね....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
もなく、習慣的に肉交して、互いを辱しめたことも感ぜずに、なまけた、じだらくな心で
寝入るありさまを想像してみよ。じつに忌わしき感じがする。何に馴れているのがいまわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
わぐ。ようやく雨が降りしきる模様。 雨垂《あまだれ》に枕を叩かせて、うとうとと
寝入る兵馬。昨夜もあの騒ぎでおちおち眠れない。このごろ中よく眠れない。今宵こそは....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を着に立ち去ることさえ許さなかったし、彼女に手を握っていてもらいたがった。そして
寝入るまで彼女を少しも離さなかった。彼が寝入ってから彼女は、凍え慴《おび》え疲れ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
りに勘定を取って、相変らず一口やった揚句の果、桜の馬場の葭簀張、明茶屋でうと/\
寝入ると、打ちまけるような大夕立にふと気が付いて其処らを見ると、枕元でキャッとい....
「黄色な顔」より 著者:ドイルアーサー・コナン
彼女はそれが彼女の脅迫者たちだと云うことを直感したんだよ。で、彼女はその夜、夫の
寝入るのを待って、その離れ家に出かけていって、彼女をそのまま平和にしておいてくれ....
「地上」より 著者:島田清次郎
ときは一つの床にもぐりこんで、夜がしらじら明けるころまで情人の噂などを話しながら
寝入るのを常としていた。昨夜は恐らく何処かで外泊りするか、でなければ二階の一室に....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
日の仕度もあるから喰うだけ獲て来たというて、四十尾ほど持って来た、なるほど岩魚も
寝入るものと見える。 二十日は六時五分に出立した、直に只見川を渉って対岸の岩壁....
「ねむい」より 著者:神西清
カがきく。――『寝るんだ、寝るんだ!』と、みんなが答える。そしてみんな、ぐっすり
寝入る。すやすや眠る。ところが電信の針金に、鴉やカササギがとまっていて、赤んぼみ....
「イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
いらしい。それでよいのだ、生きる者はどんどん育つ方がよいのだと、私は目をつぶって
寝入ることにした。 (昭和二十七年四月一日)....