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寝室
「寝室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
入れられたのか、急に憂鬱《ゆううつ》な眼つきになった。
……電燈を消した二階の
寝室には、かすかな香水の※《におい》のする薄暗がりが拡がっている。ただ窓掛けを引....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
十六
お蓮《れん》は翌日《よくじつ》の午《ひる》過ぎまでも、二階の
寝室を離れなかった。が、四時頃やっと床《とこ》を出ると、いつもより念入りに化粧を....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
。
貴僧《あなた》、それでもお眠ければご遠慮《えんりょ》なさいますなえ。別にお
寝室《ねま》と申してもございませんがその代り蚊《か》は一ツも居ませんよ、町方《ま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たのを掛けたらしい、冷く手に触って、ほんのり白粉の香がする。 十九
寝室へ戻って、何か思切ったような意気込で、早瀬は勢よく枕して目を閉じたが、枕許の....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
接吻した。もう思い残す事はなかった。 ためらう事なくクララは部屋を出て、父母の
寝室の前の板床に熱い接吻を残すと、戸を開けてバルコンに出た。手欄から下をすかして....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
。僕は家族にパンを与えないで、自分ばかりが遊んでいたように思えた。 僕の書斎兼
寝室にはいると、書棚に多く立ち並んでいる金文字、銀文字の書冊が、一つ一つにその作....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
出迎えた。午前二時をすこし廻っていた。かくべつ用はないから、ばあやさんには自分の
寝室へ引取って貰って、彼もまた自分のベットを探しあてて、中へもぐりこんだ。 袋....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
戸の部屋は、その斜向い側の十七号であった。その隣室の十八号が、宣伝長イレネ女史の
寝室だった。 魚戸は、本艇に搭乗以来、僕を煙たそうにして避けているように見えた....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
描いた太陽の夢を見たんだろう。何だか謎のような事を言ってるわね。――さあさあ、お
寝室ごしらえをしておきましょう。(もとに立戻りて、また薄の中より、このたびは一領....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
こちらへ。」 と謂うに任せ、渠は少しも躊躇わで、静々と歩を廊下に運びて、やがて
寝室に伴われぬ。 床にはハヤ良人ありて、新婦の来るを待ちおれり。渠は名を近藤重....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
棚には支那の書物、外国の書物、例の『理想の良人』もある訳だな。――上下二冊揃だ。
寝室がまた一間あって、真鍮のベッドかな。それとも質素を旨として第一監獄工場で作っ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
いありません。それから、館へ駈けて行ったのでしょう。気がついた時には、私は自分の
寝室に身を横たえていたのです。私の枕もとには母がおりました。 私はそうした事が....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
はいってゆくが、中はなかなか広く出来ている。そこにはローソクの光に照らし出される
寝室や、風呂場や、会議室や、便所などと、いくつにも仕切られた部屋部屋があった。そ....
「西航日録」より 著者:井上円了
かして、車室の美麗なると停車場の粗雑なるとは、またその地の名物なり。車中に食堂、
寝室はもちろん、談話室、遊覧室、読書室、沐浴場、斬髪所等あるは、ほかに見ざるとこ....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
つづいてでてきた夫人が、そっとひじをつついた。 「よし」 牧師は、大またに
寝室へひっかえすと、やにわに、すみっこにおいてあった火かき棒をにぎりしめ、足音を....