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寝苦しい
「寝苦しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝苦しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
…」 良いが、俺は嫌だと、こんどは金助は話を有耶無耶に断ってしまった。 夏、
寝苦しい夜、軽部の乱暴な愛撫が瞼に重くちらついた。見習弟子はもう二十一歳になって....
「新生」より 著者:島崎藤村
狭い空地も明るくなった。岸本は旅から帰った年の最後の暑さかと思われるような蒸々と
寝苦しい一夜を送った後、家《うち》中の誰よりも先に寝床を離れて、その裏口へ歩きに....
「秋の暈」より 著者:織田作之助
るのだが、八月にはいって間もなくの夜明けには、もう浴衣では肌寒い。ひとびとが宵の
寝苦しい暑さをそのまま、夢に結んでいるときに、私はひんやりした風を肌に感じている....
「川端康成へ」より 著者:太宰治
があった。「作者目下の生活に厭な雲ありて、云々。」事実、私は憤怒に燃えた。幾夜も
寝苦しい思いをした。 小鳥を飼い、舞踏を見るのがそんなに立派な生活なのか。刺す....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
れてしまう運命が気の毒になり、そのむくろには今どんな夢が宿っているだろうなどと、
寝苦しいままに幾度も寝返りをするうちに、よいに聴いた戦話がありありと暗やみに見え....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
てもしないのに、明の寝顔も、また悪く明るい。 「貴下、寝冷をしては不可ません。」
寝苦しいか、白やかな胸を出して、鳩尾へ踏落しているのを、痩せた胸に障らないように....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
こういうBROADCASTをした人があった。 で、窓を締めたきりにした船室で、
寝苦しい一夜を明かす。 それでも、朝になってうとうととしたらしい。 わ・わ・わ....
「雨」より 著者:織田作之助
でも……」 いいが、俺はいやだと、こんどは金助は話をうやむやに断った。 夏、
寝苦しい夜、軽部の乱暴な愛撫が瞼に重くちらついた。見習弟子はもう二十歳になってい....
「蛍」より 著者:織田作之助
それから間もなくのことだったが、その行方をむなしく探しているうちに一年たち、ある
寝苦しい夏の夜、登勢は遠くで聴える赤児の泣声が耳について、いつまでも眼が冴えた。....
「独房」より 著者:小林多喜二
てつもなく巾が広いことを知った。 その後、俺は外の人に「夜、蒲団があまり重くて
寝苦しい時には、この重さが一体何んの重さであるか位は考えてみないわけでもない。」....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
あとは余ほど涼しくなったのでございますが、二人ながらおちおち眠られませんでした。
寝苦しい一夜を明かすと、あしたは晴れていて朝から暑くなりました。雷に撃たれた銀杏....
「勝負師」より 著者:織田作之助
あった。遠くの家で赤ん坊が泣きだした、なかなか泣きやまない。その家の人びとは宵の
寝苦しい暑さをそのままぐったりと夢に結んでいるのだろうか、けれども暦を数えれば、....
「秋草」より 著者:島崎藤村
さまざま、葉のさまざま、蔓のさまざまを見ても、朝顔はかなり古い草かと思う。蒸暑く
寝苦しい夜を送った後なぞ、わたしは町の空の白まないうちに起きて、夜明け前の静かさ....
「妖影」より 著者:大倉燁子
月もいいし、狭いキャビンに帰ってしまうのが惜しくって、つい夜を更してしまった。
寝苦しいと見えて、一度寝に帰って行った人々までがまた甲板へ上って来たりしていたが....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
っていた。私はその男と二人、たたきの上にアンペラを敷き、ドンゴロスの袋をかぶって
寝苦しい一夜を明かした。 アン巻き屋の男は朝早く起きて、出かけていったが、間も....