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「寝酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寝酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
四 その晩、新石下の村でまた一つの事件が起った。かの善吉の妹のお徳が兄の寝酒を買いに出た帰り途に、田圃路《たんぼみち》で何者にか傷つけられた。善吉と佐兵....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出でくたびれただろうが、これも御用で仕方がねえ。早く家へ帰って、かみさんを相手に寝酒の一杯も飲め」 幾らかの小遣いを貰って、庄太はにこにこして帰った。 それ....
」より 著者:岡本かの子
。 「何だ、何だ」 好奇の顔が四方から覗き込む。 「まあ、やってご覧、あたしの寝酒の肴さ」 亭主は客に友達のような口をきく。 「こはだにしちゃ味が濃いし――....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
場へ出て、倦まず怠らずに野村彦右衛門の名を呼びつづけていた。 平助は毎晩一合の寝酒で正体もなく寝入ってしまうので、夜半のことはちっとも知らなかったが、ある夜ふ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ていた。与助も父をしたっていた。今夜は雇婆が風邪をひいて寝ているので、かれは父の寝酒を買うために町まで暗い夜路を走って行ったのであることを、倉部巡査は後に知った....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
に餓鬼どもを追つ払ひ店の扉にカンヌキをかけて、一升ビンを掴みだして極めて事務的に寝酒をのみ、極めて事務的にヨッチャンをだく。それも亦ビヂネスであつた。即ち肉体の....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
たのである。これはみんな、私の部屋から追ッ払われて、自分の部屋へひきあげてから、寝酒にのんだのだ。眠っている時間のほかは完全に酒をのみつゞけており、私のところへ....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
それから祇園の方までブラブラと、あれこれ見て廻って、又、新京極へ戻って、ちょッと寝酒をのんで、宿へ帰ったのは十二時半ごろでしたかなア。一時ちかかったかも知れませ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
か二十分ぐらいも、ごてついていたそうではないか」 「それは私はお酒のみですから、寝酒に冷酒をひッかけるようなことも致します。別に旦那に腹の立つことがある筈はござ....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
っ返して親父の庄作に注進した。 かれらの家は渡し場の近所で、庄作は今や一|合の寝酒を楽しんでいるところであったが、それを聞いて眉をよせた。 「そりゃあ大変だ。....
わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
もコーヒーものまない。 そこで私は考えた。毎晩のむ酒のせいもあるかも知れぬが(寝酒は三合、それに時として黒ビール一本追加)オジヤの栄養価が豊富なのだろう、と。....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ーをついでビールのようにグイグイのむのである。おまけにビール二ダースと酒二升ほど寝酒に飲みほしていた。彼の連日が殆どこうで、それで自殺の瞬間まで肉体は健康そのも....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
火を吹くは焼場なりという俗信あり。) 「ちっとも構やしない、火葬場ですもの。……寝酒ぐらいはいつでも飲ませる。」 「面白い。いや、真剣だ。――天人にはまだ修業が....
」より 著者:カフカフランツ
。亭主の部屋へ移るようにみんなにせき立てられたが、彼はことわって、ただ亭主からは寝酒を、おかみからは石鹸と手拭といっしょに洗面器を受け取った。広間から出ていって....
俗臭」より 著者:織田作之助
えに渡鮮する必要ありと附け加えることも忘れなかった。 その夜、政江は権右衛門に寝酒を出し、その中へ久振りに媚薬を混入した。市治郎は妻と別れて、「芝居裏」で泊っ....