寝間[語句情報] »
寝間
「寝間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
た円卓《えんたく》の上にも黄色い笠をかけた電燈が二年前の光りを放っていた。広子は
寝間着《ねまき》に着換えた上へ、羽織だけ紋《もん》のあるのをひっかけたまま、円卓....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
いなりをしていましたから、わざわざ夜《よ》の更《ふ》けるのを待った上、お父さんの
寝間《ねま》の戸を叩《たた》いても、御眼にかかるつもりでいたのです。ところがふと....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
お蓮《れん》が床《とこ》を抜け出したのは、その夜の三時過ぎだった。彼女は二階の
寝間《ねま》を後《うしろ》に、そっと暗い梯子《はしご》を下りると、手さぐりに鏡台....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
音がしていた。大降《おおぶ》りだな、――慎太郎はそう思いながら、早速《さっそく》
寝間着を着換えにかかった。すると帯を解いていたお絹が、やや皮肉に彼へ声をかけた。....
「百合」より 著者:芥川竜之介
り惣吉《そうきち》と云う学校友だちの母親だった。彼女は桑を摘《つ》みに来たのか、
寝間着に手拭《てぬぐい》をかぶったなり、大きい笊《ざる》を抱えていた。そうして何....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
いってお母さんはちょっと真面目な顔をなさったが、すぐそのあとからにこにこして僕の
寝間着を着かえさせて下さった。....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
「ば、ばかっ」 「いや、それは冗談だが、襦袢を着ていられるかもしれない。または
寝間着を着とられるかもしれない。いろんな場合があるんだ。だのに、貴様はあわてて、....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ら、けたたましい電鈴の音。続いてちょうど泊り合せていた露西亜の歌劇団の女優連が、
寝間着姿のしどけないなりで、青い瞳に憂鬱な恐怖を浮べ、まるでソドムの美姫のように....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
同、傍へ参りますどころではございませんよ、何だって貴方、異類異形のものが、病人の
寝間にむらむらしておりますようで、遠くにいて皆が耳を塞いで、突伏してしまいますわ....
「母への追慕」より 著者:上村松園
に起きてほいろをかけている容子が聞えるのであった。 プゥ……ンと香ばしい匂いが
寝間にまでただよって来て、私はその匂いを嗅ぎながらふたたびうとうとと睡りにおちた....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
ので、滝之助は赫々と上気して、汗は泉の如く身内に吹き出た。 「さァ苦しゅうない、
寝間衣の上からでは思うように通るまい、肌|襦袢の薄い上から、爪痕立て、たとえ肌を....
「春」より 著者:岡本かの子
思う時、あなたは少しも来たらず、昨夜はなんですか、あんな大勢家来を連れて来て私の
寝間の扉をとんとん叩いて……私、とうとう起きて上げませんでしたとも。あんなに遅く....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、菊ちゃん。」とお縫は箪笥に凭懸ったまま、少し身を引いて三寸ばかり開いている襖、
寝間にしておく隣の長四畳のその襖に手を懸けたが、ここに見えなければいよいよ菊枝が....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
は棚で、茶碗やら徳利やら乱雑に列んでいる、左の方は真暗で分らないが、恐らく家族の
寝間であろう、ここでも飴を売るかして、小さな曲物が片隅に積んである。 おかみさ....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
た。その事が抑もこの土地で不評判になった最初だったんですの。 その時しどけない
寝間着姿だったと云い触らした者があって、一層人々の反感を買いましたが、私は
寝間着....