寝食[語句情報] » 寝食

「寝食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寝食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
私を養うために、捨児の嘘をついたのでした。そうしてその後二十年あまりは、ほとんど寝食さえ忘れるくらい、私に尽してくれたのでした。 「どう云う量見か、――それは私....
私の父と母」より 著者:有島武郎
純粋の九州人に独得な所である。一時にある事に自分の注意を集中した場合に、ほとんど寝食を忘れてしまう。国事にでもあるいは自分の仕事にでも熱中すると、人と話をしてい....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
ったままと、思っているらしかった。彼は、三十の石工がそばに働くのも知らぬように、寝食を忘れ、懸命の力を尽くすこと、少しも前と変らなかった。 が、人々が市九郎に....
第五氷河期」より 著者:海野十三
ころが、それからこっちへ、一カ月の日が流れ、その間、総監は帝都の治安に文字どおり寝食を忘れて努力していたが、昨日、思いがけなく、総監は、北見博士の娘であるという....
生きている腸」より 著者:海野十三
心な眼つきで、蠕動をつづける腸《はらわた》をながめるのであった。 彼は文字通り寝食を忘れて、この忍耐のいる実験を継続した。まったく人間業とはおもわれない活動ぶ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
かも知れない、しかしてそれがために自分が破滅するかも知れないということを心配して寝食を廃するに至った。一人の友人がやってきて、こう言って彼を慰めた。「天地はただ....
地中魔」より 著者:海野十三
ら掘ってきたもの。真鍋先生はこの地盛を幸に月島へ出かけては、地質の研究に文字通り寝食を忘れている有様だ。金塊事件のニュースが出たとき、三吉と大辻はまた理科大学で....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
んで来たのであるから、その成行きも想像するに難くない。やがてその二人の女は主人と寝食をともにするようになって、三年あまりをむつまじく暮らしていた。どっちが妻だか....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
てください」 兄に頼んで一緒に連れて行ってもらったが、一度見たが最後、ほとんど寝食を忘れて十日あまりも眺め暮らしていた。その以来、毎月二、三回は城内に入って、....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
来たのだ。たとえ短かい一時とはいえ、日本を去るのは今は実に惜しい。また、ほとんど寝食を忘れるくらいに忙がしい同志を置き去りにして出るのも実に忍びない。しかし日本....
東京要塞」より 著者:海野十三
措置がとれるのであった。 帆村荘六は、某大国の機密を何とかして探りあてたいと、寝食を忘れて狂奔したが、敵もさる者で、なかなか尻尾をつかませない。流石の帆村も、....
転機」より 著者:伊藤野枝
としての同情なら続くはずもないかもしれない。しかし、一度はそれを自分の問題として寝食を忘れてもつくした人が、もう思い出して見ないというようなことが、どうしてあり....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
い、これはほとんど私が生命を忘れ、世間を忘れ、甚しきは一|人の親をも忘れるまで、寝食を廃しまして、熟慮反省を重ねた上の決意なのです。はじめは貴方が、当時汽車の窓....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、土下座もしたそうに腰を折って、 「さて、その時の御深切、老人心魂に徹しまして、寝食ともに忘れませぬ。千万|忝う存じまするぞ。」 「まあ。」 と娘は、またたき....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
勉だね。」と、忠一は微笑した。 「実際、勤勉だよ。殊に今度の事件に関しては、殆ど寝食を忘れて奔走しているんだ。今日来たのも、何か犯人捜索上に就て僕に聞合せにでも....