»
寤
「寤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
を明らかにした碑を建て、あるいは美濃|垂井清水に倭建命の旧蹟を考証して、そこに居
寤清水の碑を建て、あるいはまた、継体天皇の御旧居の地を明らかにして、その碑文をえ....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
た。そして暫くすると孔生は生きかえったが、一族の者が前に集まっているのを見て夢の
寤めたような気になった。 そこで一門が一室に集まって喜んだ。孔生は皆を塚穴の中....
「阿宝」より 著者:田中貢太郎
んの婢に言いつけて、孫の家へ履を探しに往かしたが、婆さんが往ってみると、孫はもう
寤めていた。家の者は鸚鵡が繍のある履を銜えてきて、下に堕ちて死んだのを見て不思議....
「続黄梁」より 著者:田中貢太郎
呼ぶ声が聞えてきた。 「おい、君うなされてるようだが」 曾はそこでからりと夢が
寤めた。見ると老僧はなお座の上に座禅を組んだままであった。仲間の者は口々に言った....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
樫の木の下の草地に腰を下して、水車の軋々と廻るを見つゝ聞きつゝ、例の睡るともなく
寤むるともなく、此様な問答を聞いた。
軋と一声長く曳張るかと思えば、水車が樫の....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
感じ、 松「橋本の旦那え、私ア何う云う訳で此様な悪い事をしたかと思ってね、今夢の
寤めたような心持で……その布卷吉さんは茂之さんの子たア知らねえ、年の往かねえで親....
「死者の書」より 著者:折口信夫
は、殆、祈る心で待ち続けて居る。 絶望のまま、幾晩も仰ぎ寝たきりで、目は昼よりも
寤めて居た。其間に起る夜の間の現象には、一切心が留らなかった。現にあれほど、郎女....
「考城隍」より 著者:田中貢太郎
乗って、秀才と別れて帰って来た。そして自分の村に帰ったかと思うと、豁然として夢が
寤めたようになった。その時宋公は死んでから三日になっていた。母は棺の中の宋公の呻....
「成仙」より 著者:田中貢太郎
って、 「何をするのだ。」 といったが成はわざと返事をしなかった。と、周の眼が
寤めた。そこで周は、 「おい、成君。」 と呼んだが返事がない。周は坐って手さぐ....
「嬰寧」より 著者:田中貢太郎
帰り、秦氏の墓を尋ねて合葬した。その夜、王の夢に老婆が来て礼をいって帰った。王は
寤めてそれを嬰寧に話した。嬰寧はいった。 「私は、ゆうべ逢ったのですよ。あなたを....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ほどであった。 十分間と口から離したことのない煙草とお別れするのだもの、定めて
寤寝切なる思いをしなければなるまいと思っていたが、不思議だ、煙草のたの字も出て来....
「水の女」より 著者:折口信夫
く「御子の哭く由を告れ」と夢に願ぎましゝかば、夢に、御子の辞通ふと見ましき。かれ
寤めて問ひ給ひしかば、爾時に「御津」と申しき。その時|何処を然言ふと問ひ給ひしか....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
とをいう奴だと思って居ります。多助は善右衞門を命の親と心得、有り難く思い、寝ても
寤めても恩義の程を忘れず、万事に気を利かして、骨身を惜まず一生懸命にくれ/\と働....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なすって下さいまし。
爺い様を休ませて下さいまし。
年寄は長く寐なくてはちょいと
寤めている間に、
しっかり働くことが出来ませぬ。
旅人
おばさん。昔御亭....
「古事記」より 著者:太安万侶
という者が一つの大刀をもつて天の神の御子の臥しておいでになる處に來て奉る時に、お
寤《さ》めになつて、「隨分寢たことだつた」と仰せられました。その大刀をお受け取り....