寸余[語句情報] » 寸余

「寸余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寸余の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球図」より 著者:太宰治
のすじのような模様がついた浅黄いろの木綿着物であった。刀も買った。刃わたり二尺四寸余の長さであった。 やがてシロオテはロクソンより日本へ向った。海上たちまちに....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
く暗き内に出で、沼宮内《ぬまくない》もつつと抜けて、一里ばかりにて足をいため、一寸余りの長さの「まめ」三個できければ、歩みにくきことこの上なけれど、休みもせず、....
無惨」より 著者:黒岩涙香
血に染みし肉の見ゆるさえあるに頭部には一ヶ所太き錐にて突きたるかと思わるゝ深さ二寸余の穴あり其上|槌の類にて強く殴打したりと見え頭は二ツに割け脳骨砕けて脳味噌散....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。 「おい、饂飩を一つくれんか」 「へえ」 灯の蔭から六十近い爺が顔を出して一寸余を見たが、直ぐ団扇でばたばたやりはじめた。後の方には車が二台居る。車夫の一人....
方則について」より 著者:寺田寅彦
困難を切実に味わう事が出来ようと思う。約三尺の糸は測る度ごとに一|分二分、時には寸余の相違を示すのである。それにもかかわらず三尺の糸と云えば吾人の頭脳には一定の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
長い。相撲に適した体躯の人が能登人に多いと云われていたのである。 一助は五尺七寸余。当時は一般に日本人の身長が低かったから、今なら六尺の大男ほど目立っていた。....
次郎物語」より 著者:下村湖人
の時には、次郎もすでに二三歩うしろに身をひいていた。しかも、彼は、彼の右手に、二寸余の白い刃を見せて、しっかと小刀を握りしめていたのである。 次郎は、その小刀....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を、三階の突出床から、礼盤の前方にかけて張ってある紐に結び付けてみても、床から五寸余りも隙いてしまう。更に法水は、玉幡の裾の太い襞の部分を取り上げて、それを浄善....
」より 著者:岡本綺堂
ころであるのと、一方の相手が旗本の息子であるのとで、みんなも結局承知して、三尺八寸余の鯉を一朱の銀に代えることになった。文字友は家から一朱を持って来て、みんなの....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
の要素には十分注目すべきものがあり、日本美の特質を深く包蔵している。わずか二尺八寸余の小像であるが古来世人の恭敬愛慕絶ゆる事なく、悪夢を善夢とかえてくださる御仏....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
葉で一葉を為し、春分旧根から芽を出し、夏になって一茎に一花を開く。花の大きさは二寸余で、六弁のものも八弁のもある。色は碧か白、中心に小さな紫弁が簇がってちょっと....
鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
と大きく育つものではなく、生まれて四年目で漸く一尺二寸二百匁前後、五年目で一尺三寸余三百匁前後、六年目で一尺五寸余四百匁前後、七年目一尺七寸余六百三十匁、十年目....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
れには仏蘭西語で、ただ「承諾」の一語があるのでした。電報用紙は桃色の縦四寸、横五寸余のもので、封筒にはいっています。千八百八十八年とありますから、随分古いものな....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
間も経ったか。やっと、両手でウントコサと擁え込んだのを見ると驚くべし、直径一尺五寸余もあろうと思われる雅味のない大皿に盛りも盛ったり、恐らく十人前は焼いたであろ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
見た。南はざらざらの斜面で、少し掘るといくらでも水晶が出て来る。大きいものは長さ寸余、三分角位はある、が、大抵は小さいもの許りだ。無色透明で質はよいらしい。三角....